歌野晶午さんの「密室殺人ゲーム2.0」を読んでみた 少々ネタバレあり/感想
今回紹介するのは歌野晶午さんの「密室殺人ゲーム2.0」です。インターネット上に集まって推理ゲームを楽しむ五人。しかし、彼らが行っているのはただの推理ゲームではない。ここで語られる事件はすべて現実世界で発生したもので、出題者の手によって実行されたものだった。前作ラストで余韻を残したまま終わったが、彼らはどうなったのか続きが気になるところだが、、、
密室殺人ゲーム2.0
マンションで女性の変死体が発見された。逮捕された男は取り調べで「ゲーム」であると供述した。ゲームとはの質問に対してメモ用紙に謎の数字を残してそれ以降何も語ることはなかった。
これが物語の始まりだ!
前作同様に頭狂人、aXe、伴道全教授、ザンギャ君、044APDがインターネット上で推理ゲームを楽しんでいた。前作を読んだ読者からしてみればあれ?と感じることだろう。時系列的にこちらが最初なのかなと思ったりもした。
そして逮捕された男の動機は本当に「ゲーム」だったのか。緊急召集して検証した結果、誰もこの事件に関わっていないことが分かり模倣犯の可能性が高まった。
領域を侵されたことで激怒(約一名)して、メモ用紙に残した謎の数字の解明へと乗り出した。
▼次は誰が殺しますか?
模倣犯が残した数字を手がかりに事件を追っていくと、とんでもないことが分かってくる。現場から盗んだ現金を寄付して競い合ってるなんて、やばい奴らがいたもんだ。
▼密室などない 出題者:伴道全教授
叙述系の密室トリック。パワーショベルで全てを壊す、まさしく物理的殺害方法。
▼切り裂きジャック三十分の孤独 出題者:ザンギャ君
殺された男性は、所有するビルの一室でバラバラになって発見された。死体は、腹部が切り開かれており、内臓が周辺に撒き散らされていた。さらに両足と左手が切断されて猟奇的な現場だと容易に想像できる。
死体がドアをふさいで邪魔をしていた。その状況で犯人はどうやって部屋を脱出したのか。他にドアや窓は見当たらない。これもまた密室の謎であった。
▼相当な悪魔 出題者:頭狂人
予告殺人と映像を利用したアリバイトリックが問題。
それよりもここで頭狂人の正体が判明する。前作を読んでいた読者はてっきり頭狂人=新妻美夜子だと思い込んで読んでいたはず。それがまったくの別人だったのだ。
ここで前作のラストのその後が明らかになる。
別荘でのオフ会で頭狂人が仕掛けたゲームで本人とザンギャ君が爆発に巻き込まれて死亡。aXeは一命は取り留めたものの火傷と裂傷で病院に飛び込んだ。そこで現職の警察官だと身元が割られ、観念したaXeはこれまでの推理ゲームのことを語った。
非道で残酷性からこのゲームのことは表に出ることはないはずだったが、警察の内部情報と捜査情報が流失して、思わぬ形で世界中に広まることになった。
社会に戦慄が走り、多くの人々が不安に襲われる中、本家を神だと表現する者が現れるようになる。今回インターネット上で推理ゲームをしている彼等もまた触発された模倣犯であったのだ。
▼三つの門
▼密室よ、さらば
まだ推理ゲームは続いていきますが、知りたいことが知れたのでここまでにします。
感想/まとめ
面白かったけど前作の方がおススメですね。やはり本家は凄いという認識が付きつけられた。とにかく前作のその後が知りたかったので、駆け足になり推理ゲームの謎がが二の次になってしまった。
伴道全教授はどうなったのか知りたいですね。おおよその身元や顔バレしているし捕まっているのかな。
それとも何事もなかったようにインターネット上に現れたりして。