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吉良駿作さんの「レッド・デッド・ライン」を読んでみた 感想

今回紹介するのは吉良駿作さんの「レッド・デッド・ライン」です。赤い糸に結ばれた二人の運命は?と、ロマンティックなお話しかと思いきや不穏な展開が、、、これはエロホラーサスペンス小説です。

 レッド・デッド・ライン

僕こと沢村修平は、同大学の鈴木ひかりと付き合っている。しかし彼女には別に本命の相手がいる。同大学の高田真一先輩だ。背が高く、痩せた男。いつも松葉つえが欠かせない。身体の関節が固くなる奇病に患っており治療方法が存在しない。先輩は、僕の好きな女性で同級生の林美鈴と付き合っている。

恋愛相関図がややこしいがこれが現実である。

 

ある日、高田先輩の病気を治す方法が見つかったと美鈴から知らされた。香港に行けば病気が治るらしく一緒に行ってほしいと頼まれた。条件があり病気を治すには4人の人間が必要で危険なことになるかもしれない。恋人のためという僕からすれば複雑な心境だったが、後に語られた言葉が魅力的だった。

もし頼みを聞いてくれるのなら、脱いでも良いよ。

流れに身を任せて、二人はホテルで抱き合った。

 

香港の中心部から離れて田舎へと車を走らせた。

目的地の古い家で地下室へと案内され怪しげな儀式の準備を行う。

最終確認として今日のことは誰にも話さないことが条件。それで病気が治るならとみんな納得して次の段階へと移行した。

 

ひとつ気になることがあった。美鈴の話と叔母さんの話が酷似していたのだ。亡くなってしまった大好きな叔母さんから聞かされた話。新婚旅行で出かけた先で夫が病気で倒れた。肝臓がんで手遅れだと診断された。そこでどんな病気でも治してくれる人を知っている人がいるというので頼った。

今回の旅と同様に地下室に案内されて、4人が必要、今日のことは誰にも話さないことが条件だった。それを約束して日本に帰ってしばらくしたら本当にガンが消えていたのだ。

叔母さんは結局亡くなってしまったが、赤い糸は左手の小指にまかなくちゃダメという最後の言葉が今でも心に残っていた。

 

 

今日のことを喋らない約束の証として赤い糸を結べと渡された。案内人の女の不気味な笑みに何かがあると感じた僕は震える指先で待つ赤い糸を弄って、時間を作った。

対価は命だと確信したが、どこに結ぶのが正解なのか見出せない。

そこにいるはずのない叔母さんのあの言葉がよぎり、急いで左手の小指に結んだ。

隣で美鈴にもさりげなく助言をした。

 

日本に帰って数週間後、高田先輩は別人のように変わっていた。

後は約束さえ守ればよかったのに、、、

自分の欲求のために約束を破る人物が現れ、終わりの始まりのゴングが鳴り響いた。

 

感想/まとめ

面白かった。何より読みやすいのであっという間で読み終えました。

エロあり、ホラーあり、サスペンスあり、でストーリーも赤い糸に絡めて(糸だけに)まとまっていた印象です。

ボロボロ状態でのハッピーエンドですが、命あってのことなのでこのラストは良かった。