~読んできた本の足跡~

~のんびりまったり日々読書~アニメや雑談も~

五十嵐律人さんの「法廷遊戯」を読んでみた 感想

今回紹介するのは五十嵐律人さんの「法廷遊戯」です。

法廷遊戯

法都大ロースクールに通い、司法試験合格を目指している久我清義(くがきよよし)と織本美鈴(おりもとみれい)。ここ数年、法都大ロースクールを卒業して司法試験に合格した者がいない底辺学校であるが、今年は優等生の清義と美鈴に期待が寄せられていた。また別格であり、すでに司法試験に合格している結城馨(ゆうきかおる)という天才もいるが、なぜこの学校にいるのか不思議なくらいの地頭がいい生徒である。

 

ある日、清義が教師との面談を終えて自習室へと戻ると、一枚の紙が配られていた。それは清義の過去に犯した罪を告発する内容のものであった。この状況をいち早く理解し、これは清義に仕掛けられた無辜ゲームだと受け入れた。

法都大ロースクールでは、学生間で無辜ゲームという模擬裁判が行われていた。告訴者、裁判官、証人者を置いて、本番さながらに進められる。告訴者は、自分の身に起きた被害を罪という形に置き換えて犯人を指名する。裁判官と告訴者の見解が一致すれば犯人は罰を受けることになる。逆に両者に齟齬が生まれた場合には告訴者自身が罰を受ける可能性もある。今回の無辜ゲームは名誉棄損を焦点に、被告者は清義、裁判官は馨、証人者は美鈴で始められた。

 

清義が過去に犯した傷害事件についてだが、彼の中ではすでに決着がついた問題であった。それよりも写真流出の方が見逃せない。誰が何の目的で、この写真に目を付け、入手したのか。これは清義だけの問題に留まらず、美鈴まで飛び火する恐れがあった。そして、始まった美鈴に対する嫌がらせ。犯人は自らの姿を見せずに、非常に手の込んだ犯行で、二人を精神的に追い詰めていく。

 

そんな妨害にも負けずに、法都大ロースクールを修了した清義と美鈴は無事司法試験に合格した。司法修習の道を選び、歩み出した二人に久しぶりに馨から連絡が入る。それは無辜ゲームの開催の知らせであった。

 

思い出と記憶と向き合うために、模擬法廷の扉を開いた清義を待ち受けていたのは目を疑うような凄惨な光景であった。

 

感想/まとめ

やはり法廷ミステリーは苦手である。

面白い小説なのは間違いないのだが、心から楽しめなかった。

心に突き刺さるような現実を目の当たりにしてテンションだだ下がり。

 

無罪と冤罪の違いは勉強になった。説明するとなると意外と難しい。法律の小説となると、あまり馴染みがない人が大多数であることでしょう。それでも今作は専門用語ばかりではなく、丁寧に語られているので是非読んでみてほしい。