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我孫子武丸さんの「弥勒の掌」を読んでみた 感想

今回紹介するのは我孫子武丸さんの「弥勒の掌」です。教師と刑事、絡み合う二つの事件の鍵は新興宗教にあった。待ち受けていた先にある驚愕を味わおう。

 弥勒の掌

教師編と刑事編を交互に進んでいきます。二つの物語が繋がった先に待ち受ける真相とは。

目次が簡潔で有難い。

 

▼教師編

高校教師の辻恭一は、千秋(教え子)と深い仲になってしまい、あげく妊娠させてしまった過去を持つ。ひとみ(妻)とは未だに離婚せずにいるが、家庭はすっかり冷え切っており完全に夫婦生活は破綻していた。

ある日仕事を終えて帰宅するとひとみの姿が見当たらない。数日間一人で過ごしたが、改めて考えてみると妻ならたった一度の過ちを許してくれてもよかったのではないだろうか。悪いのは俺だけだろうか、いや歩み寄ろうとしなかったひとみにも責任があるとやり場のない苛立ちと怒りが湧き上がり、残された妻の荷物をゴミ袋にまとめて捨てる準備を整えていた。

ある人から捜索願が出され警察が恭一のもとを訪ねます。失踪中なのに妻の安否を気にも留めない態度に何か関わっているのではと疑われてしまう。慌てて妻を探すことに決めて、近所の人から新興宗教に関わっているかもしれないと情報を掴んだ。

 

▼刑事編

蛯原篤史巡査部長の和子(妻)がラブホテルで殺されているのが発見された。妻の仇を討つために捜査するつもりが、日頃の違法な捜査方法がバレて本庁の人間にマークされてしまう。身動きが取れなくなった蛯原は、ルポライターの茂木と協力して事件を追うことにした。蛯原宅の寝室で怪しげな弥勒象が見つかり、茂木からこれは最近急激に規模を拡大している宗教団体が作っているものだと教えられた。

 

新興宗教《救いの御手》の本部で対面する辻恭一と蛯原篤史。

入会して内から攻める恭一と外から攻める蛯原。役割分担して捜査を進めるが、二人の妻(失踪、殺害)の事件と新興宗教《救いの御手》はどのように関係しているのか。

最後の最後で明かされる真相に驚愕することでしょう。

 

感想/まとめ

いや~騙されました。え?と思考停止した後、急いで確認のためページの巻き戻し作業へと移りましたよ。

気がつかなかった。僕みたいな単純な人ほど効果があるのかな。

個人的に宗教絡みや登場人物の性格の酷さはマイナスポイントですが、驚愕度はプラスポイント。それでも「殺戮にいたる病」には敵わないです。

テンポよくサクサク読めるので、おススメしやすい小説ですね。

内容よりも驚きを味わいたい人ほど読んでほしい。