織守きょうやさんの「記憶屋Ⅱ&記憶屋Ⅲ」を読んでみた 感想
今回紹介するのは織守きょうやさんの「記憶屋Ⅱ&記憶屋Ⅲ」です。前作の記憶屋の続編ですが、登場人物が入れ替わり女子高校生が主人公となります。どのようなラストを迎えるのか楽しみですね。
記憶屋Ⅱ&記憶屋Ⅲ
高校生の夏生の元へ新聞記者の猪瀬が訪ねてきた。
数年前、夏生の周りで起きた不可解な事件について取材させてほしいとのこと。友人たちと一斉にその記憶を失っており、とにかく不思議なことばかりだった。
猪瀬から語られた事件の内容は衝撃的だった。これは、記憶屋の仕業だとして、色々教えてくれた。
数年振りに活動を再開した記憶屋を追ってこの地へやってきた猪瀬。その彼から信じられないことが語られた。つい最近夏生は記憶屋に会って記憶を消されていたのだ。
親友である芽衣子のことを記憶屋の可能性があるとして疑っている猪瀬。そんなはずはないと、無実を証明するために協力することにした夏生。
猪瀬と行動する機会が多くなるにつれて、芽衣子と過ごすことに対して変に緊張するようになった。
嘘をつく罪悪感、もやもや感、そんな心情が渦巻いている。
そんな中、新たに記憶を消された人物が現れた。
取材に訪ねていた料理人だった。
過去の出来事の影響で関係がこじれ、同じ料理人として友達になりたいのになれない。意地を張ってしまい悪循環に陥っていた。それで、記憶屋を探していたのだ。
お互いに誤解も解け、関係も改善して無事友達になれた。一件落着で終わり、そんな彼から後日聞かされたこと。記憶屋に会えたのは本当だけど、実は、、、
覚えれいることと言えば、どうやら記憶屋は女の人、いや女の子。
以前のような芽衣子との距離でいられない。どうしたらいいかわからなくなった夏生。
家に帰ると待っていたのは従姉の真希だった。これまでのことを相談してアドバイスを貰い、迷いが消えた。
芽衣子は記憶屋ではなかった。正直な気持ちを発散したおかげで、これまで塞ぎこんでいた何かが雪解けた感じだ。
後日、猪瀬にもう記憶屋を探すのは辞めるときっぱり断った。
真希に芽衣子と話した結果を報告した。
突然、本当のこと知りたい?
思いもよらない記憶屋の正体を聞かされた。
感想/まとめ
記憶屋Ⅱ&記憶屋Ⅲでひとつの物語として完結しているので続けて読むことをおススメします。
前作に続いて記憶を消す行為が悪か正義なのか問いていた。
全体的に面白かったけど、内容は受け付けないタイプの小説でしたね。
記憶屋Ⅲ料理人のエピソードの一幕
記憶屋を探す行為に対して
「最初から、本当は必要なかったんだ」
自分自身で解決。これができればいいが現実はなかなか難しいことなんですよね。
芽衣子に夏生が正直な気持ちをぶつけてかっこいい、告白された、のやりとりのシーンはニヤニヤして読んでいた。
記憶屋にも味方がいればいい、ひとりぼっちは可哀想。消す行為の代償、呪いみたいなものなのでしょうね。