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殊能将之さんの石動戯作シリーズ「キマイラの新しい城」を読んでみた 感想

今回紹介するのは殊能将之さんの石動戯作シリーズ「キマイラの新しい城」です。シリーズ第5弾です。テーマパーク社長が霊に取りつかれて周りは大騒ぎ。石動への依頼は750年前の事件の真相を解明してくれだと!

 キマイラの新しい城

中世ヨーロッパをモチーフとした「シメール城」

現在は当時を再現し、テーマパークとして営業しています。

現社長の江里陸夫は、750年前の城の主、エドガー・ランペールの亡霊に取りつかれてしまい大混乱。わたしを手にかけた者の正体を暴いてくれ、そうしないと成仏できないとお願いされた。

態度はおちついているし、支離滅裂な内容でもない。石動は正直困った。

とにかく詳しい話を聞くことになる。

 

被害者の証言だけで推理するのは難しい。そこで、ひとつ提案を申し込んだ石動。

関係者を集めて、当時の状況を再現してみよう。そうすれば事件の詳細が明らかになるし、重要な手がかりを思い出すかも知れない。

関係者全員コスプレをして再現する羽目になった。

 

石動の推理は消化不良となり、解散の空気が漂う中、関係者の一人が死んでいるのが見つかる。疑われた江里陸夫(エドガー)は逃亡することなる。

 

石動はこの事件を解決することができるのか?

 

感想/まとめ

最後の石動戯作シリーズ、思い残すことなく存分に楽しむことができました。

殊能さんの特色が詰まった作品でしたね。ここまでついてこられた方なら今回も楽しめるはずですよ。

 

エドガーさん逃亡劇は笑えましたね。戸惑い、愛嬌、ユーモア、全部ひっくるめて、雰囲気を楽しみ、いっぱい笑いましょう。

まさか、ワンピースやナルトという言葉を彼の口から発せられるとは変な感じがしますね。

 

密室の謎も言われてみれば納得する感じです。750年前に意識が飛んでいるためかその存在を忘れていましたよ。上手さが光る仕掛けでしたね。

 

アントニオや水城さんが最強すぎて石動さんの存在がだんだん小さくなっているのがまた面白い。推理全部丸投げして、探偵の看板背負っているならもう少し頑張って欲しい所。まあ、そのキャラが石動さんのいい所だとも言えますがね。

 

 

個人的に笑えたシーン

p66「ポスロリだがポロリだが知らないが~」

p93石動の探偵事務所、人手不足どころか石動ひとりきりでも人員過剰と思えるような経営状況。自分をリストラしたほうがいいかもしれない。

 

殊能さんの作品は一旦お別れ、またいつか。