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加賀恭一郎シリーズ東野圭吾さんの「悪意」を読んでみた 感想

今回紹介するのは加賀恭一郎シリーズ東野圭吾さんの「悪意」です。犯人はすぐに判明します。ここからが本番。動機を一切話そうとしないのです。あの手この手を使って真の動機に辿りつかせないよう罠を仕掛けてきます。

加賀がどのようにして犯人を追い詰めていくのかがこの小説の見所です。

 悪意

事件の章 野々口修による手記

私(野々口)は友人であり人気作家の日高家へ訪ねる。

留守だった日高が家に戻り、見知らぬ女性が庭に入り込んでいたと伝える。

彼女は近所に住んでいる主婦で死んだ猫を殺した相手を日高だと疑っている。

毒ダンゴで俺が殺したと主張。

お客さんが訪ねてきたので日高家を後にする。

自宅に戻り仕事でお世話になっている出版社の人が来た。

日高から電話があり、8時に会うことになった。

8時に日高家へ訪ねてみても明かりが消えいていて、人の気配がない。

一度外に出ていた奥さんに連絡して、時間をつぶして再度訪ねてみると日高が死んでいた。

担当になった刑事は加賀恭一郎。

野々口は加賀が学校の先生だった頃の先輩。偶然の再会だ。

ファミレスで加賀から事件の様子を聞く。

そこで、この手記のことを告げると、是非読みたいと言うので、家まで来てもらい渡す。その際、猫を殺した件についても付け足した。

葬儀の席で、日高が書いた小説のモデルとなった人の関係者がいたので話す。

加賀から呼び出されたので待ち合わせしたファミレスに行く。

そこで私(野々口)の推理を披露する。

 

加賀恭一郎の記録

事件について加賀の考え

野々口を疑っている?

 

解決の章 野々口修による手記

野々口家を家宅捜索。

日高を殺したのは私(野々口)だと告げる。

アリバイトリックに使った証拠が見つかり、大人しく逮捕された。

 

追及の章 加賀恭一郎の独白

野々口を逮捕して4日、容疑事実は認めたが、動機については一切語ろうとしない。

彼の部屋でフロッピー、大学ノートが見つかり、そこには日高の小説と類似するものが書かれていた。

野々口は日高のゴーストライターだったのではないかと確信するが、野々口は否定した。

野々口は癌に侵されていた。彼も自覚あり。

野々口の部屋で女性の影が見つかった。

エプロン、ネックレス、旅行の申込書。

これらのことを詳しく調べてみたところ、日高の前妻と関係していたことが分かった。

野々口は認めないが、この件でより深く追及していく。

 

告白の章 野々口修による手記

そこへ辿りついてしまったかとついに降参する。

告白文を書きたいとお願いする。

加賀刑事も了承し、作業に取り掛かった。

野々口の秘密の過去が明かされる

 

事件解決?

告白文に書かれた動機を知り、加賀は何かを感じていた。

その何かを知るために過去を辿る。

ここからは加賀のターン、急展開を見せていく。

 

過去の章その1 加賀恭一郎の記録

野々口の告白文の影響。

 

過去の章その2 彼等を知る者達の話

過去の日高、野々口の知る人たちに会いに行った。

 

過去の章その3 加賀恭一郎の回想

教員時代の加賀恭一郎が語られる。

 

真実の章 加賀恭一郎による解明

野々口が隠した真の動機が明かされる。

 

感想/まとめ

二転三転どこへ向かっていくのか気になり、一気読み。

自然と手記の世界に引き込まれた。

 

人の心とは複雑である。時に説明つかない行動をとってしまう。誰もの持つ心奥底に眠る感情を非常に的確に明確に表してくれた。

人によって捉え方が違うのもうなずける。

 

野々口に思わず同情したが、加賀恭一郎だけは騙されなかった。

奥底に沈められた真実と言う名の悪意をつかみ取った加賀刑事にあっぱれ。

 

シリーズの中でも特殊な位置づけにある小説でしたね。