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島田荘司さんの「御手洗潔の挨拶」を読んでみた 感想

今回紹介するのは島田荘司さんの「御手洗潔の挨拶」です。御手洗潔シリーズ第3弾になります。人気、評判の高い数字錠をはじめとした名作が揃った短編集。この本を読めば御手洗潔という人物象がわかること間違いなし。

 御手洗潔の挨拶

数字錠

1979年 占星術殺人事件を解決して間もなくの頃

竹越刑事が抱えている事件の助言を求め御手洗潔を訪ねてきた。

ちょうど横浜の馬車道へ引っ越す準備の最中の時だ。

吹田電飾という会社で社長の吹田久朗が殺された。

発見者は、出勤してきた社員4人。

容疑者は、久朗を恨みがある2人、アリバイも微妙。

しかし、数字錠の謎が悩みの種。

警察は強引に別件で引っ張ると告げに来たが御手洗が待ったをかける。

石岡を連れてある人物に会いに行った。

 

事件よりもコーヒーを飲まなくなった理由の方が印象強く残った。

御手洗潔の優しさの面が強調されている。これ以降の作品ではまったくコーヒーを飲まないのかな?気になる。

12月17日私立探偵御手洗潔が誕生した日

 

疾走する死者

1980年の初夏。主人公はタック(隈能美堂巧)

音楽で知り合った若い男に誘われてジャズ好きの集まりに参加することになった。

友人であり、ドラムのパフと共に訪ねたマンションの一室で事件に遭遇する。

停電の最中に部屋を飛び出し、飛び降りた男。

地上を調べたがいない。

部屋に戻ってしばらくすると電話が鳴り、電車にはねられ死亡したと伝えられた。

さらに絞殺された痕が残っていた。

いったいなぜ。

御手洗の推理が炸裂する。

 

犯人は予想しやすい。トリックはそんなバカなと言いたい。

読者への挑戦状もありますので挑戦してみてください。

 

紫電改研究保存会

1978年の夏に起きた出来事。現在は7年後の1985年に関根視点で語られている。

新聞社に勤めていた関根に怪しげな男が訪ねてきた。

封筒の宛て名書きの手伝いをしてほしいと頼まれた。

事務所に行き、言われたとおりに仕事をこなし、そのままその男とは別れた。

後日葉書が届けられ、貴方より寄付、領収致しましたと書いてあった。

身に覚えのない、首をかしげていた所、ある人物に声を掛けられた。

 

御手洗潔との出会いの方が幸運なのかもしれないですね。

清々しい気持ちになれました。

 

ギリシャの犬

1987年 ピラミッド事件のお礼を兼ねて、モナコに来ていた。

そこで、青葉照孝と出会う。

妹が相談事があるので近々伺うと伝えられた。

帰国後、青葉淑子と名乗る中年の婦人の訪問を受けた。

タコ焼き屋の屋台が盗まれた。調べてほしいと依頼。

乗り気でない御手洗は、帰ってもらおうとした際、盲導犬の話を聞き、引き受けることにした。

捜査し始めた矢先、淑子が育てている照孝の息子が誘拐され事件はおかしな方向へ進んでいく。

 

屋台の使い道に驚いた。誘拐事件の方で忙しく、忘れていたが繋がっていたとは。

犬のことになると本気になる、また、学生時代の話も登場。

 

感想/まとめ

事件、トリックよりも御手洗潔という人物を知るための短編集だと感じました。

占星術殺人事件』、『斜め屋敷の犯罪』を解決した人はこんな人なんだよと伝えるために、シリーズ物として先を見据えて次につなげるための準備。

特に数字錠は当てはまるのではないかと思います。

 

御手洗、石岡君は魅力のある人物たちなのでシリーズ長いですが徐々に読んでいきたいですね。