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三津田信三さんの「首無の如き祟るもの」を読んでみた 感想

今回紹介するのは三津田信三さんの「首無の如き祟るもの」です。刀城言耶シリーズ第三弾。ミステリー小説とホラー小説が混合し、超傑作として生まれ変わった。シリーズナンバーワンの呼び声高し。あらゆるものを詰め込み、飽きさせない謎のオンパレード。どんでん返しもありですよ。シリーズ物ですがこの本が初めてでも問題なく読めると思いますよ。実際僕もこの本が初でした。

さて、どんな物語が待っているのか楽しみですね。

 首無の如き祟るもの

 

はじめに

作家、媛之森妙元(本名、高屋敷妙子)が媛首村を舞台に起きた2つの事件の解明するといった形で小説化されている。全体構成は、高屋敷妙子の一人称ではない。妙子自身は全く事件そのものに関わっておらず、妙子視点では事件を描くことが困難であったためだ。そこで、媛首村の駐在所で勤務していた警察官の夫、高屋敷元巡査視点と事件に深くかかわり内部を良く知る人物、使用人として雇われていた斧高視点で物語は進められる。

 

戦時中に起きた十三夜参りの密室、戦後に起きた首無殺人事件へと、、、

 

最後には、注意書きさながら高屋敷妙子は一連の事件の真犯人ではないと述べられ、締められています。

 

 

十三夜参りの密室

長寿郎に想いを寄せる斧高は、十三夜参りの日こっそり後をつけていた。斧高は隠れていた敷地内で首無の紀女子と紀女子を目撃する。

長寿郎は先に入って紀女子を待っていたが現れないので婚舎から媛神堂に戻りそこで斧高と出会う。

斧高の話を聞き、紀女子を探し始めてみると井戸の中から細長い脚が二本突き出ていたのだ。

紀女子?を火葬。

警備にあたっていた高屋敷元巡査と斧高の状況を照らし合わせてみると4重の密室が真相看破へ立ちはだかっていたのだ。

 

首無殺人事件

あれから10年後、23歳となった長寿郎が3人の花嫁候補からひとりを選ぶ「婚舎の集い」が行われた。その儀式の最中に候補のひとりが首無死体として発見された。その後、長寿郎とみられる人物も犠牲となり、一族の跡取り問題が勃発することになる。混乱相次ぐ中、一族の長である当主が跡取りとして指名した名は斧高であった。

 

第2、第3の首無犠牲者が見つかる。祟りなのかそれとも、、、

 

 

物語後半で斧高と推理作家、江川蘭子による首の無い屍体の分類の講義が挟まれている。

首無死体はなぜ(理由)が憑き物です。今回はこの字でご了承願います。

とにかく首無問題が事件を複雑化させている根本であるのは間違いない。そこでもう一度初心から状況整理がされ、振り返ってくれる優しさも有難い。

 

さて事件の方は、何の進展の無いまま、迷宮入りとなってしまった。

読者の皆様のお便りに事件の真相を解明する手掛かりはあるのか、いかに。

媛首村に戻ってきてから首に纏わる部分を痛めることが多くなった。

このような形で事件を発表したせいか、怒りを買ってしまったのか。

 

「ごめんください」

 

だれかが、彼女の元を訪ねてきたようだ、、、

 

感想/まとめ

面白かった。間違いなくおススメ本として僕の本棚に入り込んだ。

ホラーを忘れるくらいミステリーが素晴らしく、いつの間にか物語に引きこまれていましたよ。

二転三転する展開にプラスアルファ何かが常に付きまとってくる。

とにかく謎が多い小説ですが、畳み方も上手い、有難い。

箇条書きスタイルで改めて謎を提示してくれて僕みたいな忘れやすいタイプの人でも理解しやすかった。

それでも終わらない、どこがゴールなのか、頁がなくなるまで油断できない。

これほどまでに最初から最後まで夢中になって読んで本は久しぶりでした。

ラストもミステリー締めかと思いきや、ホラー要素も置き土産として残してくれて大満足。

どんでん返しがあると知っていても今回ばかりは関係ないかもしれませんね。

 

何度も苦戦を味わってきた登場人物の多さ。今回も行ったり来たりして時間をかけてじっくり見直しました。その甲斐もあり素晴らしい読後感を味わえてありがとうございました。

 

斧高とは別のもう一人の使用人の方が言っていた

表面だけをみてちゃ駄目よ。物事には必ず裏側がある。

身に染みましたね。

 

 

是非読んでみてください。