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井上真偽さんの「ベーシックインカム」を読んでみた 感想

今回紹介するのは井上真偽さんの「ベーシックインカムです。遺伝子操作、AI、人間強化、VR、ベーシックインカムなど、いずれ本格的な波が押し寄せる「未来」のお話し。

ベーシックインカム

▼言の葉の子ら (AI)

日本語の奥深さに惹かれ、日本語を学ぶために、幼稚園で働くエレナ。手探りと戸惑い中でのスタートでしたが、今では子供たちに大人気の先生である。その幼稚園では、福嗣という男の子の乱暴な態度が心配しされていた。その後、福嗣が暴力を振るう現場を目撃したエレナが事情を聞くと、ある言葉に引っかかりを覚えた。

 

▼存在しないゼロ (遺伝子操作)

ある山間の豪雪地帯で起きた事件。まれにみる大雪で完全に孤立してしまった集落。そこに住む人たちは無事救助されたが、一軒だけ取り残された家族があった。やがて春が来て雪解けの後に救出されるが、父親(母親と娘は衰弱)だけが奇妙な遺体となって発見された。

 

▼もう一度君、と (VR)

VRが趣味の妻がある日突然失踪した。

夫はその理由を探る為にVR世界に飛び込んだ。

 

▼目に見えない愛情 (人間強化)

視覚障害を持つ娘が、人工視覚手術の被験者に選ばれた。紫外線まで見えるようになった彼女が知った涙の真実とは何か?

 

ベーシックインカム

最低給付保障。国民一人一人に、最低限の生活ができるレベルのお金を無条件で給付する社会保障制度のことをいう。AIに職を奪われていく、これからの時代を見据えての方策の一つでもある。

ある日ベーシックインカムに賛成派で、お金に関する犯罪は減るだろうと主張する教授の預金通帳が盗まれる事件が発生する。一体何故だ?

 

感想/まとめ

面白かった。

 

たとえばベーシックインカム論についてだらだらと解説がされている本なら多分読まなかったと思う。そこにミステリーをプラスしてくれておかげで興味を持ち、こうして出会うことができたのだからありがたい。

 

短編集の中では▼目に見えない愛情が一番のお気に入り。

ウルッとくるお話しに年々弱くなっていますので。

 

もうちょっと時間がかかることや手を伸ばせば届きそうな未来 あるいはもう現在と言っても差し支えないこと。僕には関係ないやと思っていましたが、こういう時代がもうすぐそばまで迫ってきていたのですね。

 

次世代に向けて希望があふれる未来を願いたいですね。