浦賀和宏さんの「究極の純愛小説を、君に」を読んでみた 感想
今回紹介するのは浦賀和宏さんの「究極の純愛小説を、君に」です。富士樹海近くで合宿中の高校生文芸部員が次々と殺されていく!猟奇的殺人者に追い詰められた生存者の運命とは。一方、失踪した男性を追っていた保険調査員が辿りついた驚愕の真実とは?
究極の純愛小説を、君に
ウラガシステムにより作られた『準備稿』『改訂稿』『決定稿』から構成されている。
まず、物語は樹海近くのペンションで合宿をすることになった文芸部員の様子が描かれる。定期的に発行している同人誌にオリジナル小説を連載している草野美優。彼女は、校内での人気はもちろんプロデビュー話が持ち上がる実力者でもある。他の部員の頑張りもあり、それなりの予算も下りたことで合宿をして、第二の草野を発掘しようと顧問の先生は考えていた。そんな彼女に密かな思いを寄せる八木剛。同じ屋根の下で寝泊まりすること本心から喜び、今以上に親密になれるかもしれないと妄想を働かせていた。
しかし、到着してしばらくすると先生がいなくなり、携帯電話は圏外で固定電話も繋がらない。孤立してしまったペンションで、部員たちが次々と殺されていく。正体不明の殺人鬼に怯えながらも、草野美優を守る決意をする八木剛。そんな彼らを嘲笑うかのように迫りくる魔の手。いったいどうなってしまうのか?
中盤に差し掛かり物語の着地点が見えないなか予測不能の展開を迎える。前触れもなく失踪した八木剛を調査する保険調査員・春菜琴美の様子が描かれる。高校時代の友達と樹海に旅行に行って家を出たのを最後に消息を絶ってしまった。行方不明から七年経過し、剛の母親から失踪宣言を申し出があったことで保険調査員の琴美は彼の交友関係を当たっていく。
すると、剛の高校時代の同級生で矢沢という男も一時期八木剛のことを尋ね回っていたことを突き止めた。なんとか彼に接触しようと試みるが、会いたくないと断られてしまう。それでも尾行をして研究所らしき?場所に辿りつき、世界中の人々を魅了する物語を生みだすことができる魔法のようなシステム(理論)を使用して、物語を創作していたことが判明する。浦賀和宏という小説家の文章の特徴をアルゴリズムにして、本人がいなくても彼らしい小説が出来上がるといったシステムのことをウラガシステムと呼んでいた。
そのウラガシステムでハッピーエンドの物語を作りだそうと試行錯誤しているが、いつもデットロックしてバットエンドに向かってしまう。『準備稿』『改訂稿』では何かが足りずに文芸部員は全滅したが、ある人の発想で生まれたホラー映画では定番のネタ、処女と童貞は殺されないという条件を組み入れた『決定稿』はあのような形で終えることができた。
この小説が恋愛小説ではなく、純愛小説だったからこそ辿りついた結末なのでしょう!
感想/まとめ
面白かった、、、けどめちゃくちゃややこしい。人を選ぶ小説なのは間違いないでしょうし、僕はあまり好きではない。
「スター・ウォーズ」「新世紀エヴァンゲリオン」「涼宮ハルヒ」など懐かしいタイトルを久しぶりに聞いた。売れる作品には共通点があるのか、ないのか?是非僕も知りたいですね。