東野圭吾さんの「鳥人計画」を読んでみた 感想

今回紹介するのは東野圭吾さんの「鳥人計画」です。警察を欺いて計画は完璧なはずだった。しかし、警察に届いた密告状により意外な形で逮捕された犯人は、留置場で密告者を推理する。二転三転するストーリーに注目だ！

 鳥人計画

ウインタースポーツ界では知らない者はいないマッチ・ニッカネン。このフィンランド生まれの鳥人に匹敵する才能を秘めた者が日本に現れた。彼の名前は楡井明。このところ不振が続く日本ジャンプ界にとって久しぶりの明るい話題だった。和製ニッカネンと呼ばれて国内では負け知らず、海外でも再三入賞を果たしており、実力は折り紙つきである。

しかし、これからの日本ジャンプ界を担うエースが何者かによって毒殺された。警察の捜査も難航して犯人の目星をつけられなかった。ところが意外な形で事態は急変する。捜査本部に差出人不明で楡井を殺したのはコーチの峰岸氏であると書かれた密告状が届けられたのだ。その手紙の真偽は不明だが、その後の捜査で容疑が固まり峰岸を逮捕した。

一方峰岸の元にも楡井を殺したのはあなただ。自首しなさいと書かれた便箋が届けられていた。用意周到な準備と計画で完全犯罪を確信していた峰岸もいったい、誰がこんな手紙をと動揺を隠せないでいた。峰岸もかつてはジャンプの選手だった。しかし自分の限界を悟り、コーチ職に就任。部員は楡井だけだった。彼の飛翔はファンを引き付け、夢を見させてくれる。峰岸は自分が果たせなかった夢を楡井に託すことにした。だが、あることを理由に楡井を殺害する計画を立てたのだ。それは、いったい何だ？

警察は峰岸がいっこうに語らない動機解明に動き出し、峰岸は密告者を暴こうと推理していた。そして見えてきた鳥人計画の正体。峰岸が楡井を殺害する動機となった鍵がその計画に隠されていた！

そして二転三転して辿りついたストーリーの終着点とは？

感想／まとめ

面白かった。犯人が密告者（探偵）を推理する構成は斬新でした。

天才のデータに基づき、科学的に作り上げられた身体。今ではこの物語のようにスポーツ界でデータはなくてはならない存在になっていますね。人間らしさを徹底的に排除しての勝利と追及しての敗北。あなただったらその方針を非難と賛辞どちらの感情に近いでしょうか。そしてどちらを選ぶでしょうか？まぁ、価値観の違いだから正解はないのでしょうけどね。

東野圭吾さんの初期作品もいいですね。