奥泉光さんの「雪の階」を読んでみた 感想
今回紹介するのは奥泉光さんの「雪の階」です。二・二六事件に繋がる壮大な歴史ミステリー。
雪の階
女子学習院に通う惟佐子は、ドイツ人ピアニスト・カルトシュタインの演奏会に来ていた。演奏会後に何故か惟佐子宛てに彼から手紙が届けられた。貴女と一度お話しがしたいのでお食事でもいかがでしょうかと書かれていた。惟佐子とっては青天の霹靂だが、どのみち父から許可が得られる可能性は低いのでこの件は一旦保留することにした。それよりも気がかりなのは、今日の演奏会で会う約束をしていた宇田川寿子が姿を見せなかったことだった。
惟佐子には友人と呼べる人はほとんどいなかった。華族の流儀で学友と深くかかわることはなかった事情がある。代わりに「おあいてさん」と呼ばれる家令や女中などの娘たちと子供の頃は遊んでいた。そんな中で寿子とは共通の趣味であった囲碁を通じて親しくなっていく。親の干渉外では唯一の友でもあった。
別々の学校に進んでからは以前のように顔を合わせることは少なくなったが、休日には遊びに出かけることもあり、交流は変わらず続いていた。今回の演奏会も寿子から誘われたのだが、とうとう最後まで姿を見せなかった。
そして寿子の死体が富士の樹海で発見されたことで物語は動き出す。寿子の傍には陸軍士官・久慈中尉の死体があり、心中事件として報じられた。この結末に疑問を抱いた惟佐子は独自に調査を開始する。演奏会に行けなくなった、できるだけ早く電話しますねと惟佐子宛てに寿子から葉書が届いていたからだ。消印は仙台から。富士の樹海で心中した寿子は何故仙台から葉書を出したのか?
心中事件を中心に多彩な登場人物が惟佐子の前に立ちふさがる。
二・二六事件に繋がる壮大な歴史ミステリーを楽しもう。
感想/まとめ
申し訳ないです。
僕には合わずドロップアウトしてしまった。