青崎有吾さんの「早朝始発の殺風景」を読んでみた 感想
今回紹介するのは青崎有吾さんの「早朝始発の殺風景」です。気まずさやぎこちなさでお送りする青春劇。5つのストーリで完成された連作短編集になります。
早朝始発の殺風景
▼早朝始発の殺風景
ある目的を持って始発電車に乗り込んだ加藤木は、普段あまり話さないクラスメイト殺風景とバッタリ遭遇してしまう。目が合ってしまってからには無視することもできない。とりあえず挨拶して少し離れた場所に座ったが、他に乗客はおらず、気まずさだけが空間を支配していた。彼女のことはあまり知らないが、友達も少なく夜遊びして朝帰りするイメージともかけ離れている。朝は家で寝ていたい派で健康のための早起きでもないとのこと。
そして、彼女が語った大事な用とはいったい何か。早朝の電車の中で予期せぬ推理合戦が始まった。
▼感想 殺風景って名前だったんですか!よくあれだけのヒントで次々と組み立てることができたものだ。青春ポイントも高い。
▼メロンソーダ・ファクトリー
女子高に通う真田、詩子、のぎちゃんの三人は学校帰りによるファミレスでおしゃべりするのが習慣になっていた。ドリンクバーで粘る学生らしい過ごし方だ。
ある日のファミレスで学園祭のクラスTシャツをデザインを決める会議が行われていた。デザイン発注は三人の仕事だ。そこでクラス内で募集したところ一通だけのさびしい結果。仕方がなくもう一つは真田が考えてきて、二つの内の一つを選ぶことになった。
だが、詩子が真田の案を選ばなかったことが原因で珍しく気まずい空気が流れることに。二人は小学校からの付き合いで、今回も無条件で賛成してくれると信じていた真田は少なからずショックを受けた。
詩子には真田の案を選ばなかった理由があり、、、それは。
▼感想 幼なじみっていいね~ ただスカーフ結んでいるだけなのにニヤニヤしてしまう。
▼夢の国には観覧車がない
フォークソング部の追い出し会で部員全員で幕張ソレイユランドに遊びにきていた。三年生の寺脇は、後輩の葛城に好意を寄せており、卒業前のこの日に告白しようと密かに二人っきりになるチャンスを窺っていた。だが遊園地定番の観覧車に乗っている相手は後輩でしかも同性の伊鳥だった。
観覧車内で見せた伊鳥の不自然な行為の先に待っていたのは、、、
▼感想 男同士の友情も大切だぜ!大人になってからつくづく感じるようになった。
▼捨て猫と兄妹喧嘩
両親の離婚で半年ぶりに再会した兄妹。公園に捨てられていた猫を拾ってきてしまった妹。ペット禁止のマンションに住んでいて、本人が猫アレルギー。可哀想だから兄貴の家で飼って欲しいと頼み込んだが、兄は無理だと拒否されてしまう。
捨て猫の運命はいかに?
▼感想 ひとまず安心ですな。
▼三月四日、午後二時半の密室
卒業式を体調不良で休んだ煤木戸のためにクラス委員の草間は、卒業証書とアルバムを届けにやってきた。お互いに親しい関係ではないし、部屋の中は気まずい空気が流れ始めた。
ところが、観察していると彼女と部屋の様子がどうもおかしい。不自然さを感じたが、お使いは終わったのでお暇しようと部屋を出ようとしたら、突然ある一つの仮説が浮かび上がった。
草間が辿りついた真実とは。
▼感想 これも思い出の一つになることでしょう。お互い忘れられない日になったね。
▼エピローグ
これまで登場した人物勢ぞろい。その後が描かれていますよ。
最初の一文からぶっ飛んでてビビったのは内緒。
感想/まとめ
面白かった。読みやすさ抜群の青春ミステリー。青春と気まずさと密室。言い当て妙ですね。
僕の中のお気に入りは▼メロンソーダ・ファクトリーでしたね。百合脳全開の単純な男ですみません。久しくメロンソーダ飲んでないな~
体育館の殺人積んでいるので早く読まなければ。