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天祢涼さんの「キョウカンカク」を読んでみた 感想

今回紹介するのは天祢涼さんの「キョウカンカク」です。共感覚を武器に猟奇連続殺人鬼を追い詰めろ!第43回メフィスト賞受賞作。

 キョウカンカク

幼なじみの神埼花恋を殺されて跡追い自殺を図ろうとしている甘祢山紫郎。今まさに二人の思い出の地である地上百メートルのマリンタワーから飛び降りようとしていた。すると背後から声をかけてきた。振り向くとそこにいたのは、整った顔立ちでお洒落な服を身にまとった女性がいた。花恋とは違ったタイプの美人。ただし、見惚れるわけではなく銀色に染められた髪に目が引き寄せられてヤバイ人に声をかけられたと警戒心だけが強くなった。

すると彼女は死ぬのはやめた方がいいよといきなり図星をつかれて心身ともに固まった。逃げることも考えたが、すでに山紫郎ことは調査済みで花恋の事件のことを調べているというので自殺は一旦中止にして彼女に協力することにした。

 

彼女は音宮美夜と名乗り、共感覚を持っているという。

共感覚とは、文字に色が見えたり、音に匂いを感じたり、ある刺激に対して通常の感覚と共に違った感覚も同時に反応する特殊な知覚現象のこと。

美夜は、人の声や話を聞くなど音に対して聴覚と一緒に視覚が色や形で反応する『色聴』にあてはまる。この能力のおかげで山紫郎の自殺も見抜いたのだ。

この共感覚を武器に、猟奇殺人鬼に立ち向かっていく。

 

被害者を殺した後で死体を燃やすことからフレイム事件と呼ばれている猟奇事件。

美夜は、ある人物から捜査の依頼を受けて花恋と親しくしていた山紫郎に話を聞きにきたことを明かした。状況は理解したが、山紫郎も只黙って従うつもりはなかった。警察にも黙っていた花恋からの留守番電話を交換条件に、自分も捜査の手伝いをしたいと話を強引にまとめた。協力する姿勢を見せながらも、腹中では犯人を自分の手で始末しようと考えていた。

表面上はお互い協力関係となったので、依頼人の素性を明かすと紹介されたはなんと警察庁の人間だった。エリート官僚の矢萩という男なのだが、真正面からでは掴みづらく、ちぐはぐな印象を受けた。

 

美夜、山紫郎、矢萩の推理が展開される。

そして、犯人候補として浮上するのが神崎玲という花恋の従兄弟にあたる人だ。美夜の共感覚で彼の声から殺人鬼を示す色が見えていると強く訴えたからだ。幼い頃から知り合いの山紫郎には信じられないでいる。矢萩は模倣犯としてなら疑いの余地ありと三者三様の言い分が飛び交い、まとまりに欠ける結果となった。

美夜は共感覚を信じて直接フレイムはあなたではと神崎に揺さぶりをかけたが、逆に神崎玲の方から疑われるのは愉快ではない、美夜たちに監視してほしいと持ちかけた。自信の表れか、それとも本当にフレイムではないのか?

そして、監視が始まって起きてしまったフレイム事件。今度の被害者は、山紫郎の同級生。神崎玲は、部屋から一歩も出てないのは美夜たちが証明してしまう。美夜は共感覚を過信過ぎたのか。それとも鉄壁のアリバイを崩すトリックがあるのか。

 

物語はクライマックスへと続いていく!

 

感想/まとめ

面白かった。

キョウカンカクの設定が上手く活かされた小説でしたね。

なんといっても犯行の動機が狂気過ぎる。食事をしていたら無意識にしている行為がそのまんま当てはまっていて、、、けど、理解できん。

動機がこの小説の全てを握っていた。でも、この動機、嫌いだけど好き。

まとまりのない感想になってしまいましたが、シリーズ物なので書店で見かけたら手に取ってしまうかも。