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我孫子武丸さんの「探偵映画」を読んでみた 感想

今回紹介するのは我孫子武丸さんの「探偵映画」です。監督が映画の撮影中に謎の失踪だと。シナリオは全て監督の頭の中。残されたスタッフは撮影済みのシーンから犯人役を推理していく。映画好きにはたまらない小説でしょうね。

 探偵映画

撮影初日サードの立原は雑用に追われていた。俳優さんたちにコーヒーを配り終えて自分も輪に加わった。そこで立原が披露した映画の叙述トリック論が皆の注目の的になり、映画オタクとしての知識を存分に発揮した。遅刻していた大柳登志蔵監督の怒鳴り声が聞こえてきて、それぞれ持ち場へと散って行った。

 

役:本名

辰巳洋太郎(フリーライター):蓮見光太郎

細野拓二(医師):細川拓也

林美枝(付き添い看護婦):森美樹

藪井仙三(雇人):藪内善造

鷺沼五十鈴:清原みすず

西山貴雄:西田貴弘

 

お屋敷で女主人が自殺したシーンから物語は始まる。

一旦鷺沼邸の外景に飛んで、その後フリーライターの辰巳洋太郎が鷺沼邸を訪ねるシーンから再び始まる。辰巳は行方不明の男を追ってきたと説明。女主人である鷺沼順子氏にご挨拶したいと申し出たが、体調が悪いからと断られる。

女性の悲鳴が聞こえた。付き添い看護婦の林美枝が部屋の窓から転落して死んだ。ドアには鍵が掛かっており、鍵は彼女の手の中。自殺か事故か不明である。

土砂崩れのため電話線は切断され、下山することもできない。犯人はこのお屋敷の中にいるのか。鷺沼順子は自殺原因は。林美枝は自殺、事故それとも殺人。

すべては結末で明かされることになっており、台本には何も書かれていない。

 

その監督が撮影中に失踪してしまう。監督不在の中、映画完成のため残されたスタッフは撮影済みのシーンから犯人役を推理していく。監督しかしらない結末をああでもないこうでもないと全員で意見を出し合いを最善策練っていくが、私が犯人だという主張が俳優さんたちから続々と飛び出す事態になる。映画の中で犯人といえば主役級である、みんな自分をアピールするために必死になるのもうなずける。

立原のシナリオが選ばれてなんとか完成に持ってきた。その後監督が失踪から戻り映画は完成していたと、さも当然のように答えた。一同は抗議の言葉を浴びせ問い詰めるが、完成した映画を鑑賞し、トリックとしてカットバックを使用していたことに誰もが驚いた。

監督の失踪劇も話題性を呼び、映画は大成功を収めた。

 

監督捜索でコンビを組んでいた立原くんと美奈子さんの恋の行方にも注目!

 

感想/まとめ

カットバックという言葉を知った作品。

映画はまったく観ない僕ですが、楽しめました。映画好きは、食いつくかもしれませんね。ドタバタコミカル展開で笑いが絶えない。みんなの面白推理には大満足。

叙述トリックの映画といえばシックスセンスしか分からない。ミストは違いますよね?

 

 

主人公とヒロインの関係性がとても良い。ガチガチな恋愛模様が描かれているわけではないのですが、読んでいて微笑ましい不器用な恋で純粋に応援したくなる。

クイズ

北北西に進路を取れ』ーー原文は”North by Northwest" だね。これは一体何のこと?

どういう意味なんでしょうね。