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北國浩二さんの「夏の魔法」を読んでみた 感想

今回紹介するのは北國浩二さんの「夏の魔法」です。人より早く歳をとる早老症と宣告された少女。人生の終焉の地として選んだのが子供の頃の輝かしい思い出の満ちた島だった。そこで初恋の相手との再会が予期せぬ想いを抱かせる。

 夏の魔法

22歳の早坂夏希は幼い頃過ごした思い出の島を訪ねていた。人より早く歳をとる早老症と宣告されて外見はすっかり老婆。肉体は老化しても精神は若いはずなのに、年寄り目線で物事を考えてしまうこともしばしばある。

人生最後の夏を静かに過ごそうと訪れたこの地でかつての恋人、たくましい青年へと成長した初恋の相手潮崎洋人と再会する。彼は今でも夏希ことを特別な存在として留めていてくれた。その事実が何よりうれしい。その反面、現状のこの姿を知ったらどんなに失望するか想像するだけで恐ろしい。この秘密だけは絶対隠し通さなければいけないと決意していた。

人と接することを拒絶していた夏希には疲れることも多かったがそれ以上に肉体的にも精神的にも若返って楽しく過ごせていた。来てよかったと思うようになるが、、、

 

沙耶というアルバイト学生。かわいらしさと美しさが存在し、人懐っこい笑顔がまぶしい女性だ。今の夏希とは何もかも正反対。

悪意のない言葉が時に残酷に突き刺さることを思い知った。自信に満ちた表情、不公平さが募りいつの間にか嫉妬と憎悪の対象になっていた。

何より若さと言う武器が堪えた。心の中の私をヒロを奪われたくない。その一心である行動を起こしてしまう。

 

感想/まとめ

せつない、優しさに胸が痛い。

善意と悪意に揺さぶられる心情の描き方が素晴らしい。

トリックの描写シーンがいまいちイメージが湧かなかった。

イルカの生態も勉強になった。エコロケーションか、なるほど。