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東野圭吾さんの「パラレルワールド・ラブストーリー」を読んでみた 感想

今回紹介するのは東野圭吾さんの「パラレルワールド・ラブストーリー」です。記憶をテーマに研究を進めた先にあるのは恋愛か友情か!?究極の選択を迫られる。日常の違和感に翻弄される男。ホントにパラレルワールドは存在するのか。そして結末に待ち受ける衝撃の事実とは。

 パラレルワールド・ラブストーリー

親友の智彦から恋人の紹介したいといわれ喫茶店で待ち合わせをしていた崇史の前に現れたのは見覚えのある女性だった。

大学院時代山手線を利用して通学していた崇史。平行して走る電車に乗る若い女性の存在が気になっていた。毎週火曜日車両の窓から双方の電車のドアがガラスを挟んで見つめ合う一時、ほんの数秒ではあったが日課の楽しみにするようになっていた。

就職するにあたり、ラストチャンスだと話しかけようと反対側の電車へ乗りこんでみたものの、彼女の姿は見つからずそれっきりになってしまった。

間違えるはずがない、目の前にいるのがその彼女、麻由子だった。

崇史と智彦が勤める会社に彼女が入社することが決まっていたのだ。女性関係で色々あったことを知る崇史にとって智彦の恋人紹介は自分のように嬉しかった。

 

その恋人が彼女ではなければ、、、

 

初対面いや初会話し終えて自宅に戻り智彦から連絡があった際、応援するよと口には出したが、嫉妬する自分がいた。

 

ここから2つの物語へ分岐していきます。

 

智彦と麻由子が恋人で進む世界

 

崇史と麻由子が恋人で進む世界

 

混乱する崇史。物語が進むにつれて雲隠れする関係者たち。

読み進めているうちに違和感を感じるようになります。

この二つの物語の先に真相に辿りついた時、どのような選択をするのか注目です。

 

感想/まとめ

パラレルワールドをこのような技法で使ってきましたか。

 

初めは混乱する順番だと読むのに苦労していましたがいつの間にかその工夫がパラレルワールドの世界だと思い込んでいた僕がいて脱帽でした。パラレルワールドという言葉には言い当て妙ですね。

記憶の改ざんは人間が手を出してはいけない神の領域なのかな。

 

これからあの3人はどのような人生を歩むか読者に委ねる終わり方でしたが、読後現実かゲームか分からなくなるクラインの壺を思い出しましたよ。