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西澤保彦さんの「神のロジック 人間のマジック」を読んでみた 感想

今回紹介するのは西澤保彦さんの「神のロジック 人間のマジック」です。親元を離れ〈学校〉に集められた六名の生徒。多少の不便はあるものの、彼等は青春を謳歌していた。だが、やがてやってきた一人の新入生が〈学校〉に潜む〈何か〉を目覚めさせた時、物語はあらぬ方向へ動き出す!

 神のロジック 人間のマジック

小学生のマモル(本名・御子神衛)が連れてこられたのは、同年代の少年少女が共同生活を送る、ある学校〈ファシリティ〉であった。親元を離れる年齢にしてはまだ若く、環境も特殊な状況に置かれるため不安は尽きない。それでもここにきて半年が過ぎ、ステラ、ケネス(詩人)、ハワード(ちゅうりつ)、ケイト(妃殿下)、ビル(けらい)という仲間たちと日常生活を送ることで随分と馴染むことができてきた。与えられた課題を黙々とこなし、味気ない食事に文句を言いながらも、何だかんだで充実した日々を過ごしていた。

 

しかしながら、自分たちはどうしてここに連れてこられたのか?

そもそも学校〈ファシリティ〉の目的は何なのか?

ここがどこなのかもわからない。

 

それもそのはず誰ひとりここに連れてこられる以前の記憶が欠落していたのだ。学校の周辺には広々とした大地が広がっており、見渡す限り、障害物の一つもない。外部の連絡手段も限られており、テレビを観ることができないし、新聞、雑誌等を読むことができない。

 

そのためか生徒たちも常日頃から学校〈ファシリティ〉の存在意義について仮説を立てていた。

ファンタジー世界説を推すステラ

秘密探偵養成所説を推すハワード

輪廻転生による前世人格再現能力者研究説を推すケイト

仮想世界説を推すケネス

思い思いの説を推す生徒たちは学校〈ファシリティ〉の秘密に迫っていく。

 

やがて新入生の登場が変化を嫌う学校〈ファシリティ〉に潜む〈何か〉を目覚めさせた時、殺人という名の牙をむきマモル達に襲いかかってきた。

 

感想/まとめ

面白かった。

たとえ情報が歪んでいたり間違っていたりしていても、みんながそれを受け入れてしまえば、それが事実となってしまう。その意味をまざまざと見せつけられて、やるせない思いに打ちひしがれた。

やはり人間の脳という臓器は替えのきかない重要な役割を担っている。あらゆる情報は脳で認識されて次の工程へと引き継がれる。それだけ複雑で神秘的な未知な臓器、まだまだ解明されない点も多いと聞くが納得である。

 

物語の胆となる驚きは某作品がふと浮かんでしまうが、こちらも負けず劣らず凄い。今なら「神のロジック 次は誰の番ですか?」として最近発売されたので入手しやすいと思いますよ。