筒井康隆さんの「ロートレック荘事件」を読んでみた 感想
今回紹介するのは筒井康隆さんの「ロートレック荘事件」です。あの有名作品「時をかける少女」を書かれた人ですね。今回はSFではなくミステリー。それもある仕掛けが、、、予備知識なしで読んでほしい作品ですね。
ロートレック荘事件
おれと重樹が八歳の夏のことだった。おれの不注意で重樹を滑り台から突き落としてしまい、脊髄を損傷。下半身の成長が止まってしまうといった悲劇的な診断結果だった。
車いす姿の彼を見て不自由にはさせない、一生面倒みると誓った。それから同じ小学校、中学校、高校と共に学び成長していった。大学こそ別れたが卒業後も自由が利く職に就き、大人になっても関係は変わらなかった。
そしてあの28歳の夏を迎えた。
おれは、工藤忠明の運転する車で別荘地へ向かっていた。父親の経営破産により別荘を手放す際に木内文麿氏に買い取ってもらった。今その別荘は「ロートレック荘」と呼ばれていた。
別荘では、木内典子、牧野寛子、立原絵里の美女が待っていた。3人ともおれに好意を持っており滞在中けん制が予想される。
さて意中の本人は画伯として名声を手に入れることができたが、製作した映画が大失敗。金銭的問題を抱えていた。
木内氏の娘との結婚を考えてくれたら金銭的援助を考えているとの甘い誘惑に翻弄され、さらに絵里の浜口さんは寛子さんが好き次点で典子さんとの爆弾発言に場は慌てふためいた。
眠れぬ夜を迎え、決断を迫られたおれは寛子の気持ちを確かめるために忍び込むようにしてバルコニーから部屋を訪れた。彼女も起きておりお互いの気持ちを確認後、愛し合うように身体を交えた。
性行為後、興奮さめやらぬ身体が水分を欲して早朝の厨房へ向かった。木内氏も起床しておりコーヒーをいただくことにした。何か会話でもと口を開きかけたとき二発の銃声が鳴り響いた。
拳銃により殺害された牧野寛子。
警察が到着後しても犯人の魔の手は止むことはなかった。
立て続けに木内典子、立原絵里も同様の手口で殺害されてしまうのだ。
警察が導き出した犯人とは。
それを庇う人の想いとは。
感想/まとめ
評価が高く気になっていた作品。
無知なものでロートレックとはぐぐってから入りましたね。
読んでいて違和感という読みづらさが付き纏い気持ち悪さを感じながら進めていた。おれ、浜口、重樹、等誰のことを指しているのか困惑していたのですが部屋割の図を見てあれ?とひらめきました。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、十中八九何か引っかかるはずです。後半に(〇ページ△行目)など解説がありますので気持ちよく騙されましょう。
頭がこんがらがってオーバーヒート状態。読みにくいです。トリック自体はやられたと言えるけど評価しづらい僕がいる。
最後は悲しい結末なのでご覚悟を!