加賀恭一郎シリーズ東野圭吾さんの「新参者」を読んでみた
今回紹介するのは加賀恭一郎シリーズ東野圭吾さんの「新参者」です。シリーズ第8弾です。今までと違った構成になっており、全9章、各章ごとに主人公が変更していきます。それぞれの章で様々な人と関わり、小さな謎をといていくうちに本筋である殺人事件に繋がっていきます。
新参者
日本橋署に異動になった加賀恭一郎は、殺人事件の捜査と並行して新参者という立場から商店街の人情を見て回る。
煎餅屋の娘
餅屋「あまから」を加賀ら刑事が訪れる。保険会社の田倉のアリバイ確認のためだ。
田倉は先日起きた殺人事件の容疑者として警察にマークされていた。アリバイを主張したためこの辺りで聞き込みをしていた。
加賀はある面白いことに気づく。人形町から浜町に向かって歩くサラリーマンは上着を脱いでいる人が多い。その逆は、上着を着ている人が多い。
日常の何気ない光景がアリバイを証明することになった。
田倉さんは立派なのか?
料亭の小僧
見習い中の修平は、料亭「まつ矢」の主人に頼まれて人形焼を購入していた。人形焼のことは誰にも内緒とのこと。愛人への手土産のつもりなのだろうから。
加賀が修平のもとに訪れた。殺された女性の部屋に人形焼が残されていたらしく、買った客を探してここに辿りついたと知る。
主人との約束を守り、ゆさぶりにも負けず、最後まで口を割らなかった。
女将さんから太鼓判。修平の活躍に期待します
瀬戸物屋の娘
瀬戸物屋の息子、尚哉は嫁姑問題に直面して困っていた。瀬戸物屋「柳沢商店」に加賀恭一郎がやってきた。事件の被害者ミツイミネコについて聞きに来たのだ。彼女の部屋にキッチンバサミがあるのにも関わらず、専門店で購入した形跡があった。調べた結果、頼まれて購入したことが分かり、その相手が尚哉の嫁、麻紀だった。
この話好きです。表面上はお互いに言い争いをしていたのに裏では贈り物をしようと考えていた。似た者同士、素直になれない性格なのでしょうね。
時計屋の犬
寺田時計屋の主人玄一のもとへ加賀恭一郎がやってきた。6月10日の夕方6時ごろ、ミツイミネコという女性に会いませんでしたかと聞くと、愛犬ドン吉の散歩中、浜町公園で会ったと証言した。しかし、愛犬家の方々に聞いても女性を見たことがない。玄一の証言と食い違っていたのだ。
頑固親父らしい。ドン吉、名前可愛いですね。
洋菓子屋の店員
父親から母親が殺されたことを知らされた清瀬弘毅。両親とは家を飛び出してきて以来、音信不通だった。日本橋小伝馬町に住んでいたと聞き、驚く。彼の住んでいる浅草橋のすぐ近くなのだから。殺されたマンションを訪ね、そこで加賀と知り合い、部屋を見せてもらうことにした。室内を見回した弘毅の目が止まった。無関係と思われる育児雑誌。
母親の周辺で妊娠している女性がいるらしいことが分かった。
勘違いが彼女の運命を変えてしまった。幸せだったことがまだ救いでしたね。
翻訳家の友
三井峯子の友人で第一発見者の吉岡多恵子。待ち合わせ時間を変更したため事件に巻き込まれたと自分を責め続けていた。翻訳の仕事の方でも揉めて後悔していた。
犯行の少し前、親しい人から電話がかかってきたとが判明した。心当たりはないかと聞きに来た加賀。心当たりはなかった。
落ち込んでいる彼女を峯子の代わりに加賀は、ある場所に案内した。
あの話がここに繋がるのか。さすがは加賀さん。
清掃屋の社長
峯子の元夫で清掃会社の社長清瀬直弘は、権限でクラブでホステスをしていた女性を秘書として雇った。
一方弘毅は、母親のことを知るために生前お世話になっていた人を訪ねていた。加賀や弁護士から聞いた話では、まとまったお金が必要となり財産分与をもう一度交渉できないか考えていたらしい。そこで、父親の秘書を務めている宮本祐理を知った。愛人だと疑い、直接祐理に会いに行った。
そういう関係でしたか。
民芸品屋の客
「ほおづき屋」の主人雅代に加賀は最近独楽を買った客はいなかったかと聞いていた。一人おり、その時対応したアルバイト店員の話を聞いて、表に並んでいた独楽、すべて購入した加賀。事件に関係しているのか不安になる雅代。
直弘の会社で税理士として働く岸田の息子夫婦のもとを警視庁の上杉と加賀は聞き込みに行っていた。
独楽に必要な物はあれですね。そうすると絞殺にも、、、
日本橋の刑事
事件の全貌が明らかになります。是非読んでみてください。
感想/まとめ
各章ごとに主人公が違う、人情味溢れる連作短編集。
いろんなタイプの人間が登場し飽きず楽しめました。
今回もやっぱり加賀さんは加賀さんでした。
阿部さん主演のドラマの方も気になる。