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木元哉多さんの「閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室」を読んでみた 感想

今回紹介するのは木元哉多さんの「閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室」です。閻魔大王の娘である沙羅との勝負に勝てば蘇るが、負ければ地獄行き。生死を賭けた推理ゲームシリーズ第二弾です!

 閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室

第一話 武部建二 43歳 刑事 死因・刺殺

昔ながらの刑事で時には脅しや暴力といった手段を行使して犯人を逮捕している武部建二。今回も嘘のアリバイ証言をした執行猶予中の男を脅し、証言を撤回させて無事事件解決へと導いた。これにて一件落着、一息つくことができた。しかし、心配事がある。ペアを組んでいる新人刑事の森野のことだ。努力もするし、仕事を覚えるのも早い。しかし、暴力とは無縁な恵まれた環境や両親に愛されて育った心優しい性格が、刑事では足かせとなり、今後最前線で犯罪者たちと渡り合っていけるのか怪しい所である。そんな事を考えながら歩いていると森野が恋人と笑顔で談笑している姿を目撃した。ここ最近憔悴しきった顔ばかり見ていた武部は、杞憂に過ぎなかったことに安堵した。

さて今回の事件の被害者は榎並。後頭部を灰皿で殴られ即死。女性関係のトラブルの絶えず、その線から浮上した三人の女性の中に犯人がいることは間違いないだろう。捜査が進み一人の女性が逮捕されることになったが、納得がいかない武田はひとりで捜査を続行することにした。その後、武部は帰宅途中に何者かに背後からナイフで刺されて死んでしまった。

 

感想 最初の一歩が間違っていた

 

第二話 池谷修 30歳 ゆすり屋 死因・?

池谷修は、相棒の安賀里勉と組んでゆすり屋をやっていた。目標額の六千万まであと少し。そこまで貯めたら半分に分けることが二人で決めた約束だった。しかし、池谷には約束を守るつもりはなかった。安賀里を殺して独り占めするつもりでいたのだ。そのためには一つ障害があり、貸金庫のパスワードがネックとなっていた。金を勝手に持ち出さないようにお互い知らないパスワードを設定していたのだ。そこで思い付いたのが、安賀里の彼女を誘拐して身代金を要求する計画だ。それなら疑われることなく自然に貸金庫から引き出せるし、彼女を助けたあとで奪い返せばいい。

そう、池谷の計画は万全のはずだったが、、、

 

感想 現実は甘くはなかった。閻魔大王を前にしては彼のスキルも無力だった。

 

第三話 浦田俊矢 34歳 会社社長 死因・撲殺

甲子園準優勝投手浦田俊矢。ドラフト一位で飛び込んだプロの世界では故障に泣かされて成功を収めることはできなかった。その後、元スポーツ選手という観点からスポーツジムを経営に乗り出して、順調に事業を拡大。現在は実業家として活躍している。

浦田が建てた別荘に久しぶりに集まった野球部の仲間。その夜、浦田は何者かにボトルシップで殴られて死んでしまった。セキュリティー万全の別荘で起きた密室事件。犯人は浦田が負け犬と見下す野球部の仲間内にいることは確実。誰が俺を殺した?さあ、生死を賭けた推理ゲームの始まりだ!

 

 

感想 彼の場合は殺されたことに意味があり、文字通り死んで生まれ変わったようですね。

 

感想/まとめ

面白かった。相変わらず読みやすい。ただ、内容に関しては前作の方が好きですね。ホワイトよりブラックなお話しが多い今作。推理勝負を転機にして前向きに歩んでいく読後感が望んでいるし、欲しかった。

 

初登場の容赦のない閻魔大王さまには恐れをなしました。ただ単にさぼっていたわけではなかったのですね。