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東川篤哉さんの「ライオンの歌が聞こえる ~平塚おんな探偵の事件簿2~」を読んでみた 感想

今回紹介するのは東川篤哉さんの「ライオンの歌が聞こえる ~平塚おんな探偵の事件簿2~」です。シリーズ第二弾。エルザと美伽コンビ、今回も平塚の街を駆けまわる!

 ライオンの歌が聞こえる ~平塚おんな探偵の事件簿2~

第一話 亀とライオン

平塚の街では名を知られた探偵生野エルザと東京から出戻り友人川島美伽の二人で探偵事務所を営んでいた。さて本日最初の依頼人は、ふくよか、、、いや凄い肥満体形の武田幸彦。お茶を飲むのも一苦労、体全体を使った動作に思わず笑いだす二人。依頼人を前にしてその態度大丈夫か?

本題の依頼内容は、いなくなったミツキちゃんを捜して欲しいとのこと。恋人の名前ではなく、ペットのカメツキガメ。依頼を受けてさっそく動き出してみるが捜索は難航する。情報提供を呼び掛けたり、近所の聞き込みなど出来る限りの手を打った。平塚と言えば相模川。水辺好きなカメはそこにいるのではないかとにらみ、重点的に捜索。しかし発見できたのは大きくなったミドリガメだけだった。その後も休日返上で捜索をしたが収穫はなし。事務所に戻り日焼けの自慢大会をしていた二人に武田幸彦から連絡が入る。相模川カミツキガメを見たという有力な情報が入り、これから向かうらしい。向こうで落ち合う約束をしてエルザの運転するシトロエンで現場へ急行した。

日も暮れた午後七時。相模川にいたのはカミツキガメではなく冷たくなった武田幸彦だった。

 

第二話 轢き逃げは珈琲の香り

浮気調査で得た報酬を増やすために平塚競輪場へ向かったエルザと美伽。そこで小柄な老婦人の岩本和江と出会う。見かけによらずここに二十年も通っているツワモノ、エルザも一五歳で内緒に競輪場デビューしている。二人が賭けた運命のメインレースで勝ったのは、、、伏兵ビギナーズラックの美伽だった。

場所を移して馴染みのスナック「紅」。大穴を当てた美伽は言うまでもなく上機嫌。負け同士意気投合した二人は仲良くカラオケで鬱憤を晴らしていた。良い時間になり宴はお開き。店を出て別れてしばらく、突然夜の住宅街に悲鳴が響いた。急いで駆け付けてみると倒れている和江と一台の車。エルザ達の姿に気付いた運転手らしき男は車を走らせ逃げて行った。ひき逃げと気を失っていた彼女に不自然に付着した珈琲。その組み合わせの意味とは。

 

第三話 首吊り死体と南京錠の謎

依頼人は、女子大生の松原美咲。南京錠の鍵を開けてくれとちょっと変わったお願いだった。依頼人に連れられて向かった先は湘南平テレビ塔の展望台の金網に愛を誓った恋人同士で南京錠を施錠する行為で有名なあの場所だ。恋人と別れたことが原因かとリア充に程遠い場所で嫉妬で狂いそうな美伽は察するのであった。エルザは黙々と作業に入り、時間を要したが何とかミッションをクリアした。依頼人も納得の表情で今回の依頼も無事に達成することができて良かった。

それからしばらくしたとある夜、宮前刑事が事務所を訪ねてきた。松原美咲が大学のサークルの部室で首を吊っているのが発見されたという。部室の出入り口にはあの南京錠が掛けられており、密室状態だった。自殺として処理されそうなこの事件に異議を唱える形で今回もエルザと美伽は調査に乗り出した。

 

第四話 消えたフィアットを捜して

仕事のストレスを発散するために飯田孝平は車を飛ばして海へと向かっていた。最近愛車として購入したランドクルーザー。そいつと海岸沿いをへて、進んだ先には平塚の海と砂浜が待っていた。タイヤが取られやすい砂浜でも四駆ならへっちゃらだとどんどん飛ばしていく。そのとき前方から同タイプのSUVが出現した。ハンドルを切りなんとか回避したが背後にもうひとつの明かり、フィアットとぶつかってしまった。ぶつかった衝撃とエアバックの衝撃、二段重ねの衝撃に意識は持っていかれたと事故の状況をエルザと美伽に説明をしていた。その後摩訶不思議な事に運転手やフィアットが消えてしまったという。事故がホントにあったのかも不安になるほどだ。

さあ平塚の名探偵。この消失した事件にどう挑む?

 

感想/まとめ

面白かった。今作も相変わらずこの二人。僕のツボを的確に攻めてきて読んでいて楽しいです。ミステリーやトリックは肩の力を抜いて楽しむくらいがちょうどいいかもしれませんね。

 

この言葉いい。エルザにピッタリ。

負けず嫌いな私の友人は、売られた喧嘩は借金してでも買う女なのだ

 

美伽の後輩飯田君。あの流れでタクシー代を経費として請求されて涙目になるよね。ちょくちょく辛口になる感じもたまらないですよね。