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佐々木俊介さんの「繭の夏」を読んでみた 感想

今回紹介するのは佐々木俊介さんの「繭の夏」です。

繭の夏

両親を交通事故で亡くして以来、伯母夫婦に面倒を見てもらってきた祥子と敬太郎姉弟。ここにきて伯母夫婦の家庭の事情もあり、二人暮らしをする決意を固めた姉弟は、かつて学生時代に伯母夫婦の娘・咲江が住んでいたカナリヤ荘で暮らしを始めた。引越し作業の最中に、押入れの天井裏から見つかった小さな人形には「ゆきちゃんはじさつしたんじゃない。まおうのばつでしんだんだ、、、」というなんとも意味深なメモが挟まっていた。

 

好奇心旺盛な二人は夏休み期間限定の探偵としてこの件について調べ始めることになる。過去に起きた事件を遡って推理していく、、、いわゆるスリーピング・マーダースタイルで物語は進んでいく。やがて発見された人形が児童文化研究会で作られていたものと似ていることを突き止め、亡くなった咲江との関連性が浮上した。

 

さて、咲江という女性は祥子と敬太郎にとって従姉にあたる人物である。大学生の時、ここカナリヤ荘で一人暮らしをしていた彼女は、所属していた児童文化研究会の部室で首吊り自殺を図り、この世を去っていた。

 

そして、彼女と同期だった部員たちから当時の状況を聞き出そうとより活動的になっていく。するとその中でボランティア活動するために訪ねた児童園で夕季ちゃんという女の子が首を吊って死亡したことを知ることになる。この件に児童文化研究会は関わっているのか?

 

祥子と敬太郎が辿りついた真相とは。

 

感想/まとめ

面白かった。

咲江さんの人となりから計算してその真相に辿りついた祥子と敬太郎はお見事である。

過去を掘り起こしていくことに対して、快く思わない人もいるだろう。それでも関係者の全面協力のおかげで物語としてはスムーズさは途切れない。遊びやゲーム感覚なのが今回ばかりは良い方面に作用したのかもしれないですね。逆上されて二人に魔の手が、、、みたいな展開にならなくてホントに良かった。

 

兄妹、姉弟のお話しは大好きである。