道尾秀介さんの「シャドウ」を読んでみた 感想
今回紹介するのは道尾秀介さんの「シャドウ」です。母を病気で亡くした小学生の男の子。父とのささやかな幸せを願ったが身近で起きる数々の異変に苦悩する。真相解明のため勇気ある行動の先に辿りついた驚愕の真実とは?
シャドウ
闘病生活の末、咲枝(母)は凰介の前から旅立っていった。葬儀を終え洋一郎(父)との二人だけの生活が始まった。この頃から凰介の目の前に奇妙な映像、覚えのない光景が映し出される現象が現れるようになった。
凰介には幼なじみの亜紀という女の子がいる。亜紀の両親は、凰介の両親と大学時代の同級生で家族ぐるみの付き合いがある。
そんな彼女の母親が自殺してしまう。家庭がすっかり冷え切り、咲枝(母)の死も引き金となって、後を追うように夫の勤める大学の研究棟の屋上から飛び降りたのだ。
ショックを受けたのか交通事故で亜紀自身も怪我を負ってしまう。
身近な人を襲う死や不幸。凰介の身に起きる現象と因果関係はあるのか。
さらに恐れていた洋一郎の言動にも異変の兆候が現れて、、、
亜紀から秘密を打ち明けられたこと。
救いたい一心で大人たちに隠された秘密を暴いていく凰介。
大人の知らない所でいつの間にか強くなる子供。
守るべき存在からの肩を並べるまでに卒業。
新たな風が吹きぬける希望のエンドには救いがある。
感想/まとめ
作者が仕掛けた罠に意のままにハマってしまい、最後のまでドキドキの味を忘れずに読み終えた。ミスリード多用、またダークな感じが道尾さんらしい小説ですね。
胸糞悪いお話しも含んでありますが、希望、救いを持たせてくれたおかげで思ったより読後感はいい。
終わりよければすべてよしとも言いますし、次の作品を読みたい意欲が湧いてくる源の一つでもありますからね。