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絶対読むべし!島田荘司さんの「占星術殺人事件」を読んでみた 感想

今回紹介するのは島田荘司さんの「占星術殺人事件です。ミステリー必ず名前が挙がる作品。島田さんのデビュー作、名探偵御手洗潔初登場。ここから伝説が始まったのです。

未読な方は必ず読んでくださいの一言。

 占星術殺人事件

梅沢平吉の手記から始まる。自分語り、占星術について見解をあれこれ述べている。ページ数は40位だが正直読みづらく苦痛に感じるのは仕方がないことだと思う。

ここだけは我慢して読んでいただきたいですね。

 

ここから御手洗潔、石岡和巳のターンに移る。

まず40年も昔の占星術殺人事件に関わろうとしたのは、1979年事務所を訪れた飯田美沙子という女性がきっかけだった。

美沙子の父(竹越文次郎)の死後、部屋の整理をしていたら便箋が出てきた。読んでみると一枝殺しに関わっていたとの文面。誰かが解決することを願い、長きにわたり務めた警察人生と引き換えにこの手記を残した。苦悩のまま死んでいったことを不憫に思い、御手洗に父が関わっている部分だけでも説明付けてほしいと頼ってきたのである。

 

この占星術殺人は、大きく分けて3つに分けられる。平吉殺し、一枝殺し、アゾート殺人。

1936年2月26日、珍しく大雪が降った日、自宅のアトリエで梅沢平吉が殺されえいるのが発見された。カギの掛かった部屋で後頭部を強打され、死んでいた。睡眠薬、ベットの位置、何故か切られた髭、不審な足跡、関係者のアリバイ等、石岡から説明を受け、御手洗は思いを巡らした。

 

平沢の事件から一ヶ月後、3月23日。長女一枝が殺された。実家を離れ上野毛で一人暮らしをしていた。凶器は部屋に残っていた花瓶。不可解な点として花瓶に付着した血を拭き取った形跡があった。部屋が荒らされ、金や貴重品が盗られており、物盗りとして間違いない。

死体は、強姦されており、精液から血液型はO型だということが分かった。

 

怪奇、狂気が詰まったアゾート事件。

平吉の娘6人と母昌子は供養も兼ねて、弥彦山を訪れた。帰り道、昌子は実家に寄るため、娘たちと別行動をとった。それっきり娘たちは行方不明になり、平吉の手記に書かれていたアゾート計画になぞられ、体の一部が切り取られた無残な状態で発見された。

 

どんな方法で各地に死体を運んだかの問題が浮上する。

当時は、車を持つ者は無い時代であった。

そこで先に述べた竹越文次郎の手記が関わってくる。

 

事件の詳細を話し終えたころ、事務所に美沙子の兄が手記を返せと乗り込んできた。

警察署内で手記の存在が勘づかれ、伏せておくのが難しくなったためだ。

そこで御手洗は一週間で解決してみると言いきった。この手記を衆目に晒さなくてもいいように結果を出すと。

 

これが40年間誰にも解けなかった占星術事件に挑むようになった経緯だ。

ここから御手洗と石岡のコンビが始まったのだ。

 

感想/まとめ

皆さんと同様、僕もこのトリックどこかで見たなと率直な感想でした。

そのため、犯人は絞り込めていたので驚きは減少された。

それを抜きにしても、楽しめたことをここに断言します。

 

御手洗さんの人物象がまだ見えてこないのが新鮮。行動に意味があるのかないのか掴めず、相手が引かれるほどぶっ飛んでて、変人だと言うことは分かりましたが、当初は困惑しました。

打って変わって探偵・御手洗はかっこいい。

茶店での犯人との対峙、約束を守り、後世に残さない行動。美沙子さんの兄もすっかり人が変わったようになって、また一人御手洗さんのファンが増えましたね。

 

2度にわたる読者への挑戦状、強い自信がうかがえます。

この手は興奮するのですが、早く真相が知りたいので勿体ないけどいつもスルーしてしまいます。

考えても解けないんですけどね。ははは。

 

石岡君の京都巡りを読んで旅行に行きたくなった。

 

ほとんど関係ないけど、なぜ彼氏と言う単語が唐突に出てきたのか疑問に思いましたが、一人の男性のことを指していたのですね。お恥ずかしい。

 

『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』セットで読んでくださいね。御手洗潔シリーズを語るにはこの3つは欠かせないですから。