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関田涙さんの「刹那の魔女の冒険」を読んでみた 感想

今回紹介するのは関田涙さんの「刹那の魔女の冒険」です。女子高生探偵ヴィッキーが挑むシリーズ第三弾。虚構と現実が交差する世界観に酔い、全く異なる二通りの読み方ができる仕掛けを楽しもう。

 刹那の魔女の冒険

▼いきなりヴィッキーからのお願いからスタート

全く異なる二通りの読み方ができるという仕掛けが施されている。

A 本書を、最初から最後まで、順番に読み進める。

B 本書を、作者の指示通りに読み進める。

変わった構成をしていますが、どちらの方法を選ぶのかあなた次第。

ちなみに僕はAを選択して読み進めましたよ。

 

▼ヴィッキー世界観

本日10年ぶりにヴィッキーシリーズ待望の最新作が発売されるということで高揚感が隠せないご様子の姉のヴィッキー。僕こと菊原誠は、深夜まで彼女の友達と大騒ぎをしてほとんど眠っていないのに、朝早くからたたき起こされて迷惑被るのもご遠慮いただきたいものだ。さらにサイン会に連れて行こうともしている。本音は行きたくないのだが、一度言い出したら聞かない姉だ。勝ち目がないのは明白であり、しぶしぶ付き合うことにした。

場はサイン会に移り、いよいよ僕らの番がやってきた所。さすがのヴィッキーも緊張しているようだ。サイン会は機械のような流れ作業に握手もなし。長時間待たされた挙句この態度に唖然としたが、数秒後そんな感想すら一瞬で忘れるほどの光景が待ち受けていた。

降り注ぐ血の雨、胴体から切断された作者の姿が目の前に現れた。

一体何が起こったのか?

この奇妙な事件が虚構の物語のはじまりだった。

 

▼吹雪の別荘の悲劇

ゴールデンウィーク直前の週末、知人が所有している別荘へ遊びに来たヴィッキーと誠。別荘所有者の息子と友人らも遊びに来ており、にぎやかになりそうだ。

顔合わせや自己紹介も一通り終わり、トランプや不思議な体験をした彼らの話で盛り上がった。時刻は零時を回りお開きな雰囲気が漂った。就寝の挨拶を交わし、それぞれの部屋へ帰って行った。

翌朝、彼らの一人が殺害されるなど犯人を除いて誰もが微塵も思わなかった。

 

▼文化祭で起きた殺人事件

従姉妹の水原来夢から文化祭へ遊びに来ないかとの誘いの電話に二つ返事で承諾したヴィッキーと誠。

そこで、来夢の先輩からお化け屋敷に誘われる。女性限定、ひとりずつしか入室できないルールを設けており、暗闇に乗じてよからぬことをしようと考えているのが見え見えである。

その話を聞きなかなか踏ん切りがつかない様子の二人。その後の顔合わせで文句を言われることを考えると、嫌だが仕方がなく重い足取りでお化け屋敷会場へ歩き出す。

すると叫び声が聞こえてきた。

いち早く反応したヴィッキーはあれほど嫌がっていたお化け屋敷に躊躇なく飛び込み、

そこで男子生徒が一人絶命していたのを発見したのだ。

 

大雑把に言うと

Aはヴィッキーシリーズの世界観で推理を楽しむメタ的小説。

Bは誠らが遭遇した二つの事件を推理。前作、前前作同様な仕上がり。

 

感想/まとめ

ヴィッキーシリーズ第三弾。

正直読みにくかったです。二通りの読み方というフレーズに期待しすぎました。

前作、前前作と楽しんで読んでいたので、シリーズ最後のこの小説で失望感が強く残った。ほんとに残念だ。

メタ的の部分は、小林泰三さんの「アリス殺し」を想像してくれれば分かりやすい。

 

前作、前前作はおススメしたい、けど今作は、、、