中山七里さんの「いつまでもショパン」を読んでみた

今回紹介するのは中山七里さんの「いつまでもショパン」です。岬洋介シリーズの第2弾。今回も岬洋介は一応探偵役ではあるがポーランド人のヤン・ステファンス目線で物語が進みます。過去作の登場人物がちらっと出てくるのでそちらもお楽しみに！

 いつまでもショパン

あらすじ

ポーランドで行なわれるショパン・コンクールの会場で、殺人事件が発生した。遺体は、手の指10本が全て切り取られるという奇怪なものだった。コンクールに出場するため会場に居合わせたピアニスト・岬洋介は、取り調べを受けながらも鋭い洞察力で殺害現場を密かに検証していた。さらには世界的テロリスト・通称“ピアニスト”がワルシャワに潜伏しているという情報を得る。そんな折、会場周辺でテロが多発し……。

ポーランドで行われるショパン・コンクールに推薦を受け出場することになった岬洋介。しかしコンクール会場では殺人事件、会場付近ではテロが勃発。それによりコンクール中止の声も上がってしまう。テロリストの名は皮肉にも“ピアニスト”だということが分かった。会場近辺に潜伏しているとの情報もある。

一方コンクールの方では、何事もなく決勝戦に勝ち進んだ岬。幸か不幸か持病の病気は治まっている状態。このまま決勝戦も無事乗り切れることができるのか。

感想／まとめ

今回もハラハラドキドキの展開であっという間に読み終えてしまった。

舞台は日本を飛び出してポーランド。音楽はまさに世界共通だと改めて認識されられました。

ヤンの家柄は代々続く音楽家だがこのままでいいのか疑問に思っていた。たびたび父親に反発するシーンなど葛藤がみられるのが証拠であり、今年こそは優勝という重圧もあるだろう。

岬に出会って、他の参加者たちと交流するにつれて本当はどうしたいか答えを見つけていく。ヤンの成長が今作のひとつのポイントでしたね。

テロリスト編の真相は悲しく残念でしたが、音楽で世界を救う岬洋介。あっぱれです。

過去作の登場人物である彼、彼女たちの近況を知ることができたのも良かった。