小路幸也さんの東京公園を読んでみた
今回紹介するのは小路幸也さんの東京公園です。実在する公園が舞台なので想像しながら読むこともひとつの楽しみですね。
東京公園
あらすじ
写真家をめざす大学生の圭司は、公園で偶然に出会った男性から、奇妙な依頼を受ける―「妻の百合香を尾行して写真を撮ってほしい」。砧公園、世田谷公園、和田堀公園、井の頭公園…幼い娘を連れて、都内の公園をめぐる百合香を、カメラ越しに見つめる圭司は、いつしか彼女に惹かれていくが。憧れが恋へと成長する直前の、せつなくてもどかしい気持ちを、8つの公園を舞台に描いた、瑞々しい青春小説。 (「BOOK」データベースより)(新潮社)
主人公は大学生の圭司。幼いころなくなった母の影響を受け、写真家を目指し日々奮闘中だ。
そんなある日、公園で出会ったサラリーマンから、「妻を尾行して、写真を撮ってほしい」と頼まれる。事情を聞き、引き受けてしまった圭司。公園を巡り、サラリーマンの妻百合香さんをフィルター越しに見つめる圭司に変化が表れる。これは憧れなのか?それとも恋?これは成長する途中の青春物語。
感想/まとめ
実在する公園が舞台なのだが、私は東京とは無縁の生活だから名前ぐらいしか知らないのでイメージが湧かないことが惜しく感じた。
登場人物の距離感、空気感が絶妙のバランスで良い味を出している。どっちに転がるかわからない結末にドキドキしながら読んでいたが、心温かくやさしい気持ちにさせてくれる作品だと思います。個人的には、圭司、お姉さんの咲実、友人の富永を中心とした描写がもっと読みたかった。
後味が良く、何度も読みたくなる中毒性。心が癒される作品。是非読んでみてください!