~読んできた本の足跡~

~のんびりまったり日々読書~アニメや雑談も~

木元哉多さんの「閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニット」を読んでみた 感想

今回紹介するのは木元哉多さんの「閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニットです。閻魔大王の娘である沙羅との勝負に勝てば蘇るが、負ければ地獄行き。生死を賭けた推理ゲームシリーズ第三弾です!今回の謎はワイダニット(なぜ殺した)もあるよ!

閻魔堂沙羅の推理奇譚 業火のワイダニット

第一話 外園聖蘭 30歳 契約社員 死因・?

契約期間が切れて今日から無職の仲間入りをした外園聖蘭。社員登用目指して頑張ってきたが、その希望が叶うことはなかった。原因は、一つしか考えられない。自他共に認める不細工な顔がすべての努力を帳消しにしてしまう。最近は口癖になっている「死にたい」がよく飛び出すようになっていた。

さて就職面接はというと連敗中であった。それに追い打ちをかけるように、遠慮も気配りも無縁な親友の岡島美々香ことミミからのいたずら攻撃、聖蘭の幸せのためにとお見合い写真を持ってくる叔父、お母さんを紹介してくださいと意味深な言葉を発した大学時代の後輩と周囲が慌ただしくなり、いらいらが募りだしていた。

気分転換の一人カラオケを楽しんで、帰宅するとテーブルに豪華な料理が並んでいた。すべて母親の手作りで、聖蘭の大好物だった。母親の優しさに有難味を感じながら、今日だけはと制限を解除してカロリーを気にせずおなかいっぱいまで食べた。満腹になったためか眠くなってベットに横たわってスヤスヤと夢の中へ。

何故か息苦しさを感じて目を覚ました。とにかく水分が欲しく立つことができないほどのぐらつきの中、台所まで這って進んだ。途中母が居間で倒れていた。傍には血。なぜと疑問が一瞬、視界が揺れて思考がおいつかない。そして、聖蘭の意識もここで途切れた。

 

感想 誰にでもコンプレックスはありますよね。最後の晩餐だと推測すると怪しいのは、、、

 

第二話 仙波虎  78歳 無職  死因・転落死 

    遠山賢斗 11歳 小学生 死因・溺死

仙波虎は余命一年の宣告を受けた。元村長の虎は、現在小学生になる遠山賢斗と暮らしていた。孫のような年の男の子だが血のつながりはない。妾の連れ子の子どもにあたる複雑な関係である。梅子(母親)の最後を看取ることをしなかった父親に対して、長男と次男は今なお軋轢があり関係は冷えきっていた。

今日は、梅子の命日である。集まったのは、長男・弦太、次男・恒泰とその息子・諒太郎、虎の弟・丑男、梅子の妹・丸高喜和子の五人だった。

さて事件の方は、外で遊んでいた諒太郎を捜していた賢斗は、突然水の中に落ちた。泳ぎの得意な賢斗でも冷静さを失い溺れた。その後、雨が降り戻らない賢斗を捜すために家を飛び出した。

何故か賢斗が岩場で倒れていた。最初に発見した虎は、はやる気持ちを押さえて滑らないように石段を一段ずつ下りていたが、何者かに背中を押されて急降下で転がり落ちてしまった。そのまま、意識は落ちた。

 

感想 賢斗君だけが癒しだ~。将来有望な子ですね。

 

第三話 土田裕太 19歳 浪人生 死因・焼死

浪人生の土田裕太は、金銭的な余裕がないので予備校には通わず自力で勉強中だ。その日も図書館で勉強中だったが、一息つくために外に出てベンチに座っていると声をかけられた。小学生のとき転校してきた夏目との再会だった。その日はあいさつ程度で別れたが、連絡交換をして次第に会うようになった。

ある日、すでにフリーのプログラマーとして働いている夏目からバイトしないかと誘われた。仕事自体は簡単で、渡された資料をパソコンにデータを入力していくだけだ。個人事業主として、会社を経営している夏目に言われるままに土田は、身分証明証を提示して、きちんとした雇用契約を結び、約三週間のバイトを終えた。

さて事件の方は、男二人で行った夏祭りの帰り夏目の家で起きた。土田は、睡眠薬を盛られて全身灯油まみれの体にされたあと、火をつけられ焼死したのだ。

犯人は、夏目しかいない。でも、殺した理由はなんだ?

今回の謎は、ワイダニット。もう一度夏目と話すために沙羅との推理ゲームに挑む!

 

 感想 なるほど。ここまで計算していたとはね。

 

感想/まとめ

面白かった。同じようなパターンに慣れたころに、ラストのお話しでなぜ殺された?に焦点をあて、パターンを変化してきましたね。

第一話の聖蘭さんの事件、特に面白かった。笑いは万国共通。お笑いの道が彼女の天職であることを願いたいですね。しかし、トータルで見ると一冊目がまだまだ好み。刊行スピードが速い作者さんなので次も期待したい。

沙羅ちゃんの描写のレパートリーが豊富ですね。よく次から次へと浮かんでくるものですな~。