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有栖川有栖さんの「幻想運河」を読んでみた 感想

今回紹介するのは有栖川有栖さんの「幻想運河」です。大阪とアムステルダムで起きたバラバラ殺人事件。二つの水の都をめぐる事件はやがて意外な展開へともつれていく。

 幻想運河

▼大阪

トロール中の警官が三十歳前後の不審な男を発見して声をかけた。手に持つ新聞紙の包みを感情を殺した様子でじっと凝視している様子からただならぬ気配を感じ取った警官は説明を求めるが、その声を無視するばかりか手に持っていた包みを河川に向かって投げ入れてしまう。そして男が乗っていた車の中を調べると切断された女の死体が冷たく横たわっていた。

 

アムステルダム

シナリオライターを目指す恭司は外国を放浪中に辿りついたアムステルダムの放つ不思議な魅力に引き留められて、ずるずると不法滞在を続けていた。現地で知り合った玉木遥介・美鈴兄妹、音楽の武者修行でアムスに滞在している水島智樹、出張中のサラリーマン久能健太郎らと一緒にドラックを嗜む毎日を送っていた。

そんなある日、恭司も入会しているドラック愛好家「盆栽クラブ」のメンバー水島智樹がバラバラ死体で発見された。切断された部位はアムスを流れる運河から引き揚げられたとのこと。警察は被害者が日本人であり、彼と面識のあった恭司の元にも話を聞きに現れた。幸いにも事件当時も別のメンバーとドラックを嗜んでいたというアリバイがあり、あっさり解放された。それでも恭司には水島相手に思う所があり、独自に捜査を開始した。

 

大阪とアムステルダム

遠く離れた二つの水の都で起きたバラバラ殺人事件は、不思議な糸でつながり辿っていく。

 

感想/まとめ

いや~難しい小説でした。

大阪とアムステルダムの事件がどうやってつながるのか楽しみに読んでいたましたが、そう繋がるのか!と納得して終えたので満足です。

しかし、それ以外の狙いはさっぱりです。まさしく運河のごとく複雑な別れ道に迷い込んであっち行ってこっち行ってと彷徨い、まさしく幻想に取り込まれてしまったかのような錯覚をしてしまった。

 

有栖川作品らしくもあり、同時にらしくもない作品でしたね。