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有栖川有栖さんの「絶叫城殺人事件」を読んでみた 感想

今回紹介するのは有栖川有栖さんの「絶叫城殺人事件」です。全てのタイトルにド直球に殺人事件とついている短編集。作家アリスシリーズ!

 絶叫城殺人事件

▼黒鳥亭殺人事件

火村とアリスの共通の友人である天農仁に相談事があるから来てくれないかと頼まれて、彼が住んでいる外壁が黒一色の屋敷「黒鳥亭」を訪ねた。この屋敷には曰く因縁があり、天農がこの家を相続する一昨年の夏にとある事件が起きていた。当時大手都市銀行の支店長夫婦がここを別荘として使っていたが、夫婦喧嘩勃発し、夫が妻を殺害して逃走。遺書を残して投身自殺したという後味が悪い事件だった。とは言え夫の死を持って結末は着いたはず、、、だったが、その夫の変死体が一昨日に「黒鳥亭」の裏庭にある古井戸から発見されたのだ。死後わずか一週間ほどしか経過していない変死体だった。死んだはずの夫がなぜ今頃になって「黒鳥亭」に戻ってきたのか。いったい誰に殺されたのか?

 

火村&アリスシリーズで貴重な少女が癒しである。そんな彼女が事件にある意味関わっていたなんてちょっぴショックである。それでもアリスの面倒見の良さが垣間見ることもできたし、好みのお話しでした。「二十の扉」やってみたいですね~

 

▼壺中庵殺人事件

隠居生活を送っていた壺内刀麻が自宅の地下室に作った「壺中庵」という部屋で、頭に壺を被った状態で天井から吊るされて死んでいるのが発見された。現場は密室状態であり、犯人はどうやって現場から立ち去ったのか。また、被害者の頭に壺を被せた理由とは?

 

火村さんいつも以上に犯人に対して怒り心頭なのが印象深い。

 

▼月宮殿殺人事件

ホームレスが拾い集めてきた材木らをもとにして建てた違法建築は「月宮殿」と呼ばれていた。そんな「月宮殿」を訪ねた火村とアリスの目の前には、火事で跡形もなく燃えてしまい無残な姿広がっていた。一年前にアリスが取材旅行の帰りに偶然通りかかった際に知り合った浜さんは、地元の高校生たちが放火したのを目撃したと語った。「月宮殿」の主であった高さんは火事に巻き込まれて亡くなってしまった。ただ、高校生たちは放火そのものは認めているが、家の中には誰もいなかったと主張している。食い違う証言に飛び付いた火村が見破った真相とは?

 

浜さん、、、それにしてもサボテンが鍵だっとは!

 

▼雪華楼殺人事件

開発業者が倒産して未だに買い手のつかない無人の建物。鉄筋コンクリート七階建ての「雪華楼」で男が死んでいるのが発見された。男の名は最上涼といい、交際中の倉田みずえと凍えるような寒さをしのぐために、ここ「雪華楼」に棲みついていた。もう一人ホームレス・伊地知一夫がいたことも判明し、ある程度の距離感を保ちつつの奇妙な同居生活を送っていた。

屋上には最上涼がつけた足跡しかないので、そこから飛び降り自殺したと考えられていたが、遺体の検視結果は殴殺であった。この不可解な状況を説明できるのは火村先生しかいない!

 

これは偶然で片づけられるのでしょうかね?

 

▼紅雨荘殺人事件

閑静な住宅地で、一人暮らしの飯島粧子という資産家の婦人が殺害されているのが発見された。恋愛映画のロケに使われた「紅雨荘」の所有者としても知られていた彼女。ただし、ロケに使われた「紅雨荘」には現在彼女の子どもたちだけが住んでおり、本来の「紅雨荘」に粧子が一人暮らしをしていた。子どもたちにはアリバイがあり、粧子が殺害された時間に不自然な行動をとっていた従妹・牟礼真広が疑われることになるが、、、

 

価値は大事だが、、、

 

▼絶叫城殺人事件

絶賛缶詰状態のアリスをよそに世間では連続通り魔事件が起きていた。女性ばかりが狙われており、犯人が残したメッセージ「ナイト・プローラー」から『絶叫城』というゲームに出てくる怪物ナイト・プローラーを模しているのではないかと騒ぎが大きくなり始めた。

警察は未だに犯人像を絞れないで後手後手になっていたが、四人目の被害者からの通報ですぐに緊急配備を敷いて迅速な対応を取ったはずが、犯人は網に引っ掛かることはなかった。被害者の口から「ゲームオーバー」と書かれた紙片が発見された。

これは犯行終結宣言なのか?それにしても「ナイト・プローラー」はどこに消えたのか?

 

ヴァーチャルと現実の境目、、、ニュースに飢えた者たちが食いつきそうな事件でしたね。

 

感想/まとめ

面白かった。

安定安心の火村&アリスシリーズ。

次回作も楽しみだ!