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横溝正史さんの「黒猫亭事件」を読んでみた ネタバレあり/感想

今回紹介するのは横溝正史さんの「黒猫亭事件」です。

 黒猫亭事件

1947年(昭和22年)3月の午前零時ごろ東京郊外にて巡回中の長谷川巡査が酒場「黒猫」付近で土を掘る音を耳にして立ち止まった。一週間ほど前に「黒猫」の経営者がどこかへと引っ越してしまい空き家同然になっていたことを巡査はよく知っていた。不審に思い、あたりを警戒すると隣接する寺の若い僧・日兆が穴を掘っている現場を目撃する。巡査が穴の中を確認すると、腐敗した女性の死体があり、元の顔が判別できないほど損壊していた。検視の結果、他殺であることが判明した。さらに、同じ場所に黒猫の死体が埋められていたことから、黒猫を飼っていた酒場「黒猫」を重点的に調べ始めた。

 

主人・糸島大伍と妻・お繁(二人は中国からの引き揚げ者)、住み込みのお君、加代子、珠江という二人の通い、以上五人が店じまいした酒場「黒猫」にいた関係者である。糸島にはダンサーの鮎子、お繁には土木建設業親分・風間俊六という愛人がそれぞれいて、夫婦仲は最悪で、いざこざが絶えない日が多かった。それでもお繁が反省して、これまでの生活を清算して、夫婦まともに暮らしたいと周囲に漏らしていたことから店を閉めたのも新たなスタートを切ったのではと考えられた。

 

所在が確認できる風間に聞き込みをし、お繁との関係性を認めたうえで、身元不明死体の候補である鮎子をお繁が殺しても不思議ではないと語った。また、鮎子の正体が糸島と一緒の船で引き揚げてきた中にいた小野千代子ではないかと思われたが、彼女もまた糸島夫婦同様に消息不明だった。

 

酒場「黒猫」を改装中の大工と日兆の証言で、警察は殺されたのがお繁であり、糸島と鮎子が犯人であると発表した。急展開を見せた事件に、友人である風間からたたき起こされた金田一はもじゃもじゃ頭をかきむしり笑ったのであった。

 

金田一の参戦によって様変わりする事件~

金田一は独自調査で得た情報を身につけて、酒場「黒猫」の裏手にある墓地に一同を案内した。彼に指示された場所を掘ってみると、なんと糸島の死体が埋められていたのだ。予想していた答えに金田一は満足すると、犯人の鮎子が隠れている土蔵を目指した。

 

扉の前に到着し、いざ突入しようとした瞬間に銃声が響いた。暗闇の中から現れたのは、お繁であった。彼女は金田一銃口を向けるが、背後にいた風間の姿が目に入ると、自らの心臓を撃って自殺した。

 

お繁と鮎子は同一人物であった。

 

感想/まとめ

面白かった。顔のない死体を扱った短編集。

 

中学時代の同窓でパトロンの一人・風間俊六の登場。金田一さん恵まれてますね~