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東野圭吾さんの「名探偵の掟」を読んでみた 感想

今回紹介するのは東野圭吾さんの「名探偵の掟です。名探偵天下一大五郎と脇役の大河原番三が12の難事件に挑む!名探偵や刑事が自分の立場を理解して、作者や読者に対して不満や本音が漏れまくっている一風変わった小説なのも面白いですよ!

 名探偵の掟

▼登場人物

天下一大五郎:今作の名探偵。よれよれのスーツにもじゃもじゃ頭、古びたステッキがトレードマーク。解決シーンでは事件の関係者を一同に集めて推理を披露する皆さんお馴染みのスタイルを展開している。

大河原番三:県警本部捜査一課の警部。見当はずれな推理をして事件を振り回す道化を演じて名探偵の脇役として物語を支えている。

二人とも小説の登場人物だと自分の立場を理解しており、制約やルールに縛られた推理小説への不満や苦労、本音を作者や読者にぶちまけている。

 

第一章 密室宣言 ~トリックの王様~

奈落村で起きた殺人事件。現場に駆け付けた名探偵・天下一大五郎は密室宣言して周囲には驚きが走る。大河原警部から読者の皆様に問う。密室殺人事件、本当に面白いですか?とね。

 

第二章 意外な犯人 ~フーダニット~

牛神邸で起きた殺人事件。ある調査の依頼でごやっかいになっていた名探偵・天下一大五郎が挙げた意外な犯人とは。大河原警部から読者の皆様に問う。犯人当て小説は、直感や経験で犯人を見破っているだろうとね。

 

第三章 屋敷を孤立させる理由 ~閉ざされた空間~

資産家の屋敷でパーティが開催され、そこで事件は起きた。屋敷は完全に孤立した状態だが、これこそが犯人のトリックに必要不可欠な条件だった。登場人物の立場から問う。どうして舞台を孤立させる必要があるのかとね。

 

第四章 最後の一言 ~ダイイングメッセージ~

殺害された社長が残したダイイングメッセージ。ある人物の素行調査で現場に居合わせた名探偵・天下一大五郎が解読した真相とは?読者に問う。どうして死者は暗号めいたメッセージを残したがるのだろう?

 

第五章 アリバイ宣言 ~時刻表トリック~

軽井沢のホテルで若い女性が殺された。完璧なアリバイがある犯人も驚いた名探偵・天下一大五郎のアリバイ崩しとは?読者に問う。鉄道アリバイトリックでよく使用される時刻表。ホントのところ読者のみなさんも見てないでしょう。

 

第六章 『花のOL湯けむり温泉殺人事件』論 ~二時間ドラマ~

有名な温泉地で起きた殺人事件。二時間ドラマの都合上女探偵に性別を変更された天下一亜理紗が事件の謎に挑む。視聴者のために変更を余儀なくされた二時間ドラマのお約束の数々とは?

 

第七章 切断の理由 ~バラバラ死体~

森の中で女性のバラバラ死体が発見された。彼女の捜索を依頼されていた名探偵・天下一大五郎がいつもように捜査に加わる。彼が解き明かした死体をバラバラにした論理的な理由に対して犯人の自供は意外なものだった。

 

第八章 トリックの正体 ~???~

遺産相続の手続きをするために集まった関係者。隠し子騒動に揺れる意中の本人が何者かに殺され、犯人は消失。名探偵・天下一大五郎が見抜いたトリックとは?またまた。読者に問う。よく登場する屋敷の見取り図。ホントのところ読者のみなさんも見てないでしょう。

 

第九章 殺すなら今 ~童話殺人~

離れ小島で起きた連続殺人事件。今度の事件は童話に基づいて殺人が重ねられていく、見立て殺人であった。次から次へと殺人が起き、相変わらず的外れな推理を余儀なくされる大河原警部は参っていた。さて名探偵・天下一大五郎が解き明かした犯人の正体とは?

 

第十章 アンフェアの見本 ~ミステリのルール~

製薬会社の社長が毒殺された。いつの様に名探偵・天下一大五郎は捜査に加わるが、今回のトリックに不満を感じているらしい。読者に申し訳ないしアンフェアだとご丁寧にヒントまで与えたこの事件の真相とは?

 

第十一章 禁句 ~首なし死体~

首なし死体が発見された。そんでやっぱり注目されるのは首を切り落とした理由だろう。様々な理由がある中で、犯人が明かした推理小説の禁句とは何か?

 

第十二章 凶器の話 殺人手段

刺殺死体が発見されたが現場から凶器が見つからない。逆に言えば、凶器さえ見つけることができれば事件は解決するだろうと名探偵・天下一大五郎さっそく捜査に乗り出した。

 

このほかに「プロローグ」「エピローグ」「最後の選択」が収録されている。

感想/まとめ

面白かった。

今まで読んだことないタイプの小説だったので新鮮の連続でした。ミステリーの定番を登場人物自らぶっちゃけるスタイル以外と好きでした!皆さん大変な思いをして読者を楽しませてくれていたのですね。これからミステリー小説を読む場合、少し意識変化するかもって思える小説でした。