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有栖川有栖さんの「ブラジル蝶の謎」を読んでみた 感想

今回紹介するのは有栖川有栖さんの「ブラジル蝶の謎」です。お馴染みの火村&アリスが活躍する短編集。表題作『ブラジル蝶の謎』を含む全六篇から構成される国名シリーズ第三弾!

 ブラジル蝶の謎

▼ブラジル蝶の謎

金融会社社長・土師谷利光宅でその弟・明芳が殺されていた。離れ小島の無人島で一人暮らしをしていた明芳は急死した利光の財産整理のために戻ってきた矢先のことだった。さっそく犯行現場に案内された二人は、天井を見上げて呆気にとられていた。天井に色とりどりの蝶が舞うように張り巡らされていたからだ。

犯人の可能性があるのは沙也夏夫人。彼女の兄の西島詠一。利光の友人・尾藤寛。顧問弁護士の川辺延雄の四人である。さまざまな面で話し合うべき深刻な問題が色々と残っており、簡単に解決できるような性質なものではない。

やはり時期が時期だけに相続が絡んだ動機なのか?そして、何のために犯人は蝶の標本を天井に移したのか?

 

最後の犯人の叫びが印象的だった。

 

▼妄想日記

精神科医、深山晃久家で人が燃えて死んだ。亡くなったのは一人娘の婿、宇田美彦。三年前に美彦の運転ミスが原因で事故を起こしてしまい、同乗していた息子を失った。妻も事故の一年後に自殺したショックからうつ病にかかり、言語障害がみられるようになった。

ある日を境に情動がかなり不安定になった美彦。彼が普段生活を送る地下室におかしなものを集めるようになり、解読不明の日記も残されていた。さらに、話せない、字も書けない状態の美彦が人を死なせましたというファックスを送っていたことが判明し、事件は思わぬ方向に展開を見せる。

黒焦げになった美彦の死の裏にある秘密とは何か?

 

だから燃やしたのか!

 

▼彼女か彼か

女装趣味の剣崎洋源が自宅で殺されているのが発見された。オカマバーに勤めている友人の証言では、最近思いがけない大金が転がり込むことになっていたらしい。容疑者として浮上したのは以下の三人である。お金の匂いを嗅ぎつけた金欠の従姉と隠し子を自称する男。また、女装が絡んだ恋愛トラブル真っただ中の女。

犯人は彼女か彼か?どっちなんだい!

 

オカマバーの友人やるの~確かに髭は伸びますね~

 

▼鍵

ある社長の別荘で秘書の男が殺された。事件の当夜、主人は所用のために不在であり、別荘にいたのは妻と姉の二人だけだった。また、以前から昵懇にしている隣人の誕生日パーティが開かれていた。秘書が殺された事件との繋がりは現時点では不明だが、その席上でちょっとしたトラブルが起きていた。

そして、プールサイドに落ちていた一本の鍵。火村がこの鍵で開く扉が判ったと同時に、事件の全貌が見渡せたという鍵の正体とは?

 

まさかのまさかであった。気付く人いるのかな?

 

▼人喰いの滝

季節は夏。東京からロケにきていた映画撮影隊の女優が滝壺に落ちて亡くなった。人喰いの滝と呼ばれる魔性の滝に彼女も犠牲になったのか?

そして季節がめぐり、冬の場面を撮影のためにふたたびこの地を訪れた撮影隊。前回の夏のロケでお世話になった老夫婦の旦那さんが岩場に落ちて死んでいるのが発見された。事故、自殺、他殺の可能性を考慮して捜査されるが、現場は不自然な状況を示していた。崖に向かって残された一組の足跡、ダイイングメッセージ、近々まとまった金が入ると旧友に洩らしたこと、真新しい長靴の存在。

火村が導き出した真相とは?

 

スウェーデンの館の謎の足跡トリックを思い出しましたよ!

 

▼蝶々がはばたく

電車の中で知り合った男性から聞かされた謎にアリスは挑んでいた。35年前に一緒に旅行にいった際に忽然と姿を消したカップル。行方知らずのまま35年が経ってしまったかつての友人を先ほど見かけたという。さらに、お孫さんと何か話す姿を目撃し、元気そうで幸せそうだったと嬉しそうに語っていた。

 

時代背景と歴史。みんな大好きバタフライ効果のお話しでしたね。

 

感想/まとめ

面白かった。安定感のある短編集でした。

特に▼蝶々がはばたくがお気に入り。昨今の現状とマッチしたお話しで、我々も蝶々のようにはばたいていきたいですね。

オカマバーに勤めている友人も濃いキャラで再登場希望したい!