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有栖川有栖さんの「ロシア紅茶の謎」を読んでみた 感想

今回紹介するのは有栖川有栖さんの「ロシア紅茶の謎」です。表題作「ロシア紅茶の謎」を含む六編から構成された本格ミステリーに火村&アリスが挑む「国名シリーズ」第一弾!

 ロシア紅茶の謎

▼動物園の暗号

大阪にある動物園の猿山で飼育係の男性が死んでいるのが発見された。鈍器で頭を殴られた被害者は犯人によって投げ落とされた模様。暗号が書かれてメモを握りしめて死んでいたが、それはパズル好きの被害者が同僚に出していた問題であったことが分かる。ある個人に対して発した君でもピンとこないかとの言葉に火村は反応し、暗号を紐解いていく。生物の名前が羅列した暗号の意味とは?

 

なるほど。すっきりしたけど、解けませんよ。唐突に法月綸太郎の名前が挙がって笑ってしまった。

 

▼屋根裏の散歩者

古びたアパートの家主の老人が囲炉裏の横で、磔にされたような姿勢で死んでいるのが発見された。彼は、屋根裏を歩き回って、他人の私生活を覗き見することに喜びを感じる性癖を持っていた。住人の中に世間を騒がせている女性ばかりを狙った連続通り魔の犯人がいることに気がついたが、逆に犯人にそのことが嗅ぎつけられて口を封じられたのだろう。また、老人は日記を書いており、住人のことを「大」「太」「く」「ト」「I」それぞれニックネームをつけていた。犯人は「大」という人物らしいが、いったい誰だ?

 

面白い!体を張ったこのメッセージは個人的に好き!

 

▼赤い稲妻

雷雨の中、外国人女性のファッションモデルがマンションから転落死する事件が発生する。転落する現場を目撃したという火村の教え子の証言によると、亡くなったモデルの他にもう一人誰かがいたとはっきり答えた。しかし、彼女の部屋には人の姿はなく、チェーンも掛かっていた。同じ頃、モデルの愛人だった男性の妻が踏切で立ち往生していると列車と衝突して死亡したと連絡が飛び込んできた。二つの事件に関連性はあるのか?

 

▼ルーンの導き

サイモン・リーという中国系アメリカ人が殺害され、彼の右手にはルーン文字が刻まれた四つの石を握りしめていた。火村の同僚で英語講師のジョージ・ウルフが事件に巻き込まれたとの知らせを受け、助けに向かった火村はその意味を解き明かすことができるのか?

 

▼ロシア紅茶の謎

忘年会を兼ねたパーティで作詞家の男性が毒殺された。好物のロシア紅茶に青酸カリが挿入されていたが、誰が、どのようにして持ち込み、被害者のカップだけに入れたのか、その方法がわからずに困り果てていた。親しい友人が集まってのパーティだが、それぞれに被害者と確執があり、犯行の動機を持っていた。

 

八角形の罠

アリスが脚本を手掛けた推理劇「八角形の殺人」の舞台稽古に招かれた火村とアリス。劇団員の内輪もめを目撃してしまい、劇団内では日常茶飯事だというが、不穏な空気を感じ取っていた。嫌な予感は的中してしまい、トラブルメーカーだった俳優が毒殺されてしまう。さらに、警察の捜査の中、容疑者の一人がたばこを吸った直後に苦しみ出し「だましやがった」との言葉を残して絶命した。

 

感想/まとめ

面白かった。全編通して安定感がありましたね。

火村&アリスの絡みの濃さで判断するなら短編より長編が読みたいですね。