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綾辻行人さんの「殺人方程式 切断された死体の問題」を読んでみた 感想

今回紹介するのは綾辻行人さんの「殺人方程式 切断された死体の問題」です。首と左腕を切断された死体。厳重な監視の目をかいくぐり、いかにして死体移動犯罪は行われたのか?明日香井双子が不可解な殺人事件の謎に挑む、シリーズ第一弾!

 殺人方程式 切断された死体の問題

新興宗教団体の女性教主・貴伝名光子が電車に轢かれて死亡した。当初は飛び込み自殺として現場検証や遺体回収が行われていたが、自殺の動機が不明であり、遺体の状態に不審な点が見つかったことから、自殺・他殺の両面から捜査が進められている。

 

~貴伝名剛三発見までの流れ~

▼教団ビル

光子の後釜に座り、教祖となった夫の貴伝名剛三は教団ビルの「神殿」でお籠もりの最中だった。この期間中は、一歩も外に出てはならない決まりで、来客も受け入れないとのことだったが、愛人・美耶を連れ込みよろしくやっていた。今夜は用事があるから帰れと有無を言わせずの態度に不信感を抱いたが、大人しくシャワーを浴びて帰宅の準備をしていた。すると、謎の人物との電話で、どうやら今夜の約束の確認をしている様子をこっそり盗み聞きしていた。

ちなみに二か月前に光子を殺したのは剛三だったことが判明する。しかし、光子の死体が部屋から消えて、線路上に横たわって轢かれたことに驚きを見せていた。また、次はお前の番だと脅迫状が届いていた。

 

▼教団ビル 受付

警備員の浅田は、裏手の川の方に怪しい人影が見えたので調べてほしいと剛三からの指示があり、調べたが怪しいものは何もなく異状はなかった。帰宅する美耶がそそくさとビルを出ていくのを目撃する。

 

▼教団ビル 事務室

事務局長の野々村は、エレベーターが四階から三、二、一階へと動いたのを目撃する。

 

▼レジテンスK 603号室

教団ビルの対岸に建つマンション(レジテンスK)に住む、貴伝名光彦のもとに剛三から電話がかかってきた。お籠もりを抜け出して、横浜で話し合いをすることになった。父親のことを軽蔑しており、母親を自殺に見せかけて殺したと疑っていた。そんな風に語る光彦のことを複雑な気持ちで恋人の岬映美は見ていた。

 

▼レジテンスK 201号室

大学生の岸森は、秘密裏に処理したひき逃げのことで何者かに脅迫されていた。あることに協力するすればこのことは闇に葬ると言うが、、、拒否という選択しはなく、指示に従わざるをえない立場に追い込まれていた。

 

▼レジテンスK 玄関前路上

公安がある人物をマークするためにレジテンスKを見張っていた。若い男性と女性がそれぞれ車で出ていくのを目撃する。

 

翌日レジテンスKの屋上で剛三の死体が管理人によって発見された。首と左腕が切断されており、その後、マンション内で首が光彦の愛車の中から左腕が発見される。公安が別件で朝までずっと見張っていたことから、マンションに出入りした唯一の人物。光彦が最重要容疑者として警察は引っ張ってきた。動機は、光子が死んだ事件の犯人が剛三であると信じ、強い憎悪を抱いていたこと。また、後継者としての地位、ならび財産が考えられる。ちなみに光彦本人はなぜ車内から左腕が発見されたか知らないし、犯行も否定している。

 

物語の主人公で事件を担当することになった捜査一課の明日香井叶(あすかいきょう)刑事。学生時代にひょんなことで知り合った女性・深雪に一目ぼれしてしまい、結婚の申し込みをしたところ、彼女は刑事になることを条件に了承を得た。涙ぐましい努力の結果、晴れて深雪と一緒になることができた。暴力嫌いで、温厚な性格。刑事に向いていないことが悩みであった。

そんな叶には明日香井響(あすかいきょう)という双子の兄がいる。一卵性双生児で顔立ちはそっくりだが、性格は似ていない。哲学者になる夢の為に留年を繰り返し、現在大学生(六回生)である。

ちなみに、家族や親族、友人からは響(ひびく)と叶(かなう)に使い分けて呼ばれている。

 

さて、事件の関係者になった岬映美が響の元恋人という偶然から事件の捜査に協力することになる。双子ならではの特徴を生かして、服装や髪型まで弟そっくりに似せた。そして、捜査一課明日香井叶刑事の振りをして、事件の関係者に話を聞きに行く。

あちこち嗅ぎ回って集めてきた情報を明日香井家(叶、響、深雪が参加)で行われる捜査会議で検討を続けると、犯人に目星がついた。しかし、決定的な証拠がなく、おそらく逮捕までは難しい。そこで岬映美も巻き込んで罠を仕掛ける計画を立てた。

 

不可解な死体移動事件は、今最終局面を迎える。

 

感想/まとめ

綾辻さんといったら館シリーズが有名ですが、こちらも負けず劣らず面白かったです。犯人は誰かはもちろんのこと、何故死体の頭部と左腕が切断されていたのか、厳重な監視下のもとどんな方法で現場に侵入し逃走したのか、すべての謎が明らかになる最終局面は驚嘆し、溢れんばかりの満足感を味わえた。主人公側の人間が実は、、、のパターンは好物なのでより楽しめましたね。

 

明日香井双子のキャラも好感を持てるし、深雪さんも刑事の妻として殉職の覚悟もできてますと本気度が掴めないキャラで笑えるし、個人的に主要人物の掴みはオッケーでした。

シリーズ物らしいので次も購入したら感想書きますね!