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石崎幸二さんんの「首鳴き鬼の島」を読んでみた 感想

今回紹介するのは石崎幸二さんんの「首鳴き鬼の島」です。首鳴き鬼の伝説を取材するために島を訪れたが、伝説に見立てた連続殺人事件に巻き込まれてしまう。

 首鳴き鬼の島

竜胆家の私有地・頸木島は、鬼の伝説から首鳴き島と呼ばれていた。その取材で島を訪れた稲口と友人の茜は、伝説に見立てた連続殺人事件に巻き込まれてしまう。現在、竜胆家は後継者問題で揺れていた。竜胆グループ会長の竜胆恭蔵の一人息子・竜胆慎一郎が学生時代に家庭教師と関係を持ち、その時に授かった子供で牧村美紗子という女性が島に滞在していた。慎一郎は事業を継ぐ気がないので、子供に事業を継がせたい恭蔵は彼女を探しだしたのだ。それで娘ですと円滑に進むわけではない。何十年という空白の隔たりがあるものだから仕方がない。さらに相性が最悪の二人組、恭蔵の姉・輝子と美紗子ので馬が合わないので先に進めないでいた。最終的にはDNA鑑定で決着をつけるつもりでいるが果てしてどうなることやら。

 

夕食の席には全員が集まっていた。そこには高校時代の友人である影石瞬一の姿もあった。偶然に彼も別口で呼ばれていたのだ。これで今回の頸木島を舞台とした連続殺人事件の役者がそろった。

竜胆恭蔵 :竜胆グループ会長

竜胆慎一郎:恭蔵の息子

竜胆輝子 :恭蔵の姉

槌田信司 :秘書

田部井豊 :社員

鈴森延彦 :社員

塚本隆夫 :料理人

塚本正子 :隆夫の妻

牧村郁子 :慎一郎の元家庭教師

牧村美紗子:郁子の娘

長瀬勇  :フリーター

稲口恒一 :出版社員

神合茜  :稲口の友人

影石瞬一 :稲口の友人

 

▼見立て

首切り鬼は、武士の右腕を切断されてしまう。

右腕を取り返しにきた鬼は今度は左腕を切断されてしまう。

さらに今度は首を切断されてしまう。

最終的に武士は、首と身体と両腕を火に焼いてしまう。

鬼は今でも首を求めて彷徨っている。

 

▼第一の事件

恭蔵の部屋でパンツ一丁の姿の田部井が殺されていた。

さらに右腕が切断されていた。

 

▼メモ

携帯電話は圏外で繋がらない。電話は壊されていて修理不可能。船の無線は風雨で危険を伴う。警察に連絡する手段は残されていなかった。クローズド・サークルの予感が漂ってきた。

 

▼第二の事件

影石の部屋でパンツ一丁の姿で鈴森が殺されていた。

今度は両腕が切断されていた。

 

▼メモ

恭蔵の部屋の前にもあったカセットレコーダーから録音された風の音。

探偵兼進行役の稲口は見立て殺人の推測を立てる。

 

▼第三の事件

自室で槌田が殺されていた。

首と両腕が切断さていた。

 

 

▼第四の事件

屋上で燃える遺体。

ここまで館で包囲網をくぐり抜けて見立てを完成させた犯人とは誰だ!

そして襲われる稲口。

 

傷も癒え、復活した稲口が辿りついた真相とは、、、

 

感想/まとめ

面白かった。探偵が関係者を集めて真相を暴く王道シーン。やっぱり最後はこれで締めるのが好きなんですよね。それが二度も楽しめるなんてお得感がありますよね。島を出てから陸でも楽しめるのもプラスですね。

最後には主要人物があっけなく退場したのを驚きました。二億をポンと出せるなんて金持ちは凄いですな。そのグループ会長の竜胆恭蔵氏がイメージとかけ離れていた。竜胆グループを築いた威厳のある方だと思っていたが、稲口さん、影石さんとの会話では微塵に感じさせない。珍しく会長としてはいい人感が強い印象でした。

遺伝子とDNAの雑談からそこに着地地点を持ってくるのか。二重螺旋のようにひねりを入れて、終始上手さを感じた小説でしたね。

 

稲口さんのこと鬱陶しいなら茜さん付き合わなければいいのに。その点は疑問だった。結局はお金のためだったのかな?

 

リンドウの花言葉「正義」覚えておこう。僕がリンドウと聞いたら真っ先にりんどう湖ファミリー牧場が出てきてしまう。