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堂シリーズ堂々完結!周木律さんの「大聖堂の殺人」を読んでみた 少々ネタバレあり/感想

今回紹介するのは周木律さんの「大聖堂の殺人」です。さていよいよ藤衛との直接対決のお時間ですね。北海道の孤島に立つ大聖堂を訪ねた百合子達に再び不可解な殺人事件が襲いかかる。眼球堂から続いたリーマン予想の解はここで証明されるのか?堂シリーズ堂々完結。

 大聖堂の殺人

北海道の襟裳岬を東に進んだ先にある孤島。藤衛に招待されてその島にそびえ立つ大聖堂を訪ねた宮司百合子と善知鳥神。そこは、かつて多くの人々が命を落とした事件が起きた場所だった。司の両親、神と百合子の母、藤衛に招待されて大聖堂に集められた四人の数学者たちの死。ひとりは焼死。ひとりは凍死。ひとりは刺殺。ひとりは撲殺とそれぞれ異様な死にざまだった。

この事件の犯人として自供したのが藤衛であった。死刑囚として拘置所に収監されたまま時間だけが過ぎ、死刑は遂行されることなく、再審で無罪を勝ち取り釈放された。事件の起きた日離れたソ連にいたという絶対的なアリバイを証言して、、、

災禍再びこの地で起きる不可解な殺人に百合子達はどう挑んでいくのか楽しみである。

 

▼登場人物

宮司百合子

善知鳥神

十和田只人:大聖堂管理人

蟻川八郎 :立会人

藤毅   :立会人

大橋光彦 :数学者

エルサ  :数学者

ノーランド:数学者

朴鳳書  :数学者

 

藤衛   :大聖堂所有者

 

上記の内の数学者四名が二四年前に起きた事件を彷彿とさせる方法で殺害されてしまう。犯人は藤衛であるが、いかにして焼死と凍死をもたらしたのか。また直接手を下したと思われる刺殺と撲殺。大聖堂から遠く離れた襟裳岬で講演をしていながら、物理的な距離を不可能から可能にしたトリックとは何か。常識にとらわれない荒唐無稽な非常識な現実を目の当たりにする。

 

感想/まとめ

シリーズ完結お疲れ様でした。眼球堂で館の魅力に取りつかれ、双孔堂で前作探偵役が犯人という驚きと宮司兄妹との出会い、五覚堂で映像から導かれた真相と妹無断外出と司の暴走、伽藍堂で百舌のはやにえと瞬間移動の謎解き、教会堂での衝撃のラスト、鏡面堂で過去から現在そして、大聖堂へとシリーズを振り返ってみると、僕の感情も紆余曲折で大変な思いをしながら読んでいた気がします。今作の大聖堂もシリーズ最終作にふさわしく現実離れした壮大な仕掛けで楽しませてくれました。

 

ここからは残念な点を少々。

大団円みたいな風潮があるけど十和田&神さん結局は殺人犯ですよね?なんか腑に落ちない。何故神は意識を失ったまま目を覚まさないのか?結局リーマン予想とは何だったのか?眼球堂以降の作者は百合子?藤衛さんあっけなくやられて小物感が強い。

僕の理解力が乏しいだけだと思いますが、何故が数多く残ってしまった。

 

そして、僕の中でターニングポイントとなった教会堂のラスト。シリーズを読み終えた今でも引きずったままの彼の死。どういった意図があるのか、憤慨しています。

 

色々語りたいことはありますが、シリーズ追ってきてよかった。

周木さんの別作品も読んでみたいですね。