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周木律さんの「五覚堂の殺人」を読んでみた 感想

今回紹介するのは周木律さんの「五覚堂の殺人」です。五覚堂で起きた遺産相続に纏わる連続密室事件の謎に挑む!シリーズ第三弾!

 五覚堂の殺人

日本を代表とする学者ー志田幾郎。彼の別荘である五覚堂が今度の舞台だ。

そこに放浪の数学者十和田只人は善知鳥神に呼ばれたことから物語は始まった。

五覚堂で起きた事件の一部始終を記録した映像を見せるために呼んだいう。

その殺人事件の被害者は、あの宮司警視の妹百合子だった。

 

宮司百合子は同じゼミに所属する志田悟から祖父志田幾郎の別荘である五覚堂に一緒に行ってくれないかと頼まれる。親族一同が集まり、そこで顧問弁護士から故幾郎の遺言を披露するという。何故私なのかと戸惑いつつも僕のことをよく理解している君にぜひお願いしたいと懇請される。それに君にもメリットがあると気になる発言が。

前作の事件以降、ある疑問を抱くようになった百合子。その答えが沼四郎とその建築物にあると睨んでいた。これも縁や導きなのか、五覚堂は沼四郎の設計した建物だったのだ。こうして五覚堂に向かうことになるが、またしても事件に巻き込まれてしまう。

 

▼登場人物

志田正胤 :志田幾郎の長男

湊万里  :正胤の娘

湊亮   :万里の夫

志田胤次 :志田幾郎の次男

志田大人 :胤次の息子

小山内亜美:志田大人の婚約者

志田三胤 :志田幾郎の三男

志田悟  :三胤の息子。百合子の友人

辻和夫  :志田家の顧問弁護士

鬼丸八重 :志田家の使用人

 

五覚堂で顧問弁護士の辻から遺言状が読み上げられた。

まずは息子たちに遺産の分配率が発表された。そして続けて読み上げられた注意書きが一同を困惑させた。

▼今から三十時間経過しないと遺言状は効力を持たない

また、次のことを破ると全員の分配率は零になる

▼三十時間、誰も五覚堂から出ては行けない

▼三十時間、外部の人間と連絡を取ってはいけない

遺言に従い、その場にいた一同は三十時間この五覚堂で過ごすことになる。もちろん百合子も例外ではない。こうして締められた五覚堂。何やら事件の匂いがぷんぷんしてきましたね。

 

そして事件は起きた!

鍵が掛かった礼拝堂で正胤と万里が死んでいたのだ。悲惨な状況と密室になっていた現場を考えると万里が正胤を殺して自殺した可能性がある。しかし、万里の犯行ではない可能性ーー他の誰かによる犯行だったら、、、

ひとつ明らかに言えることがある。百合子は現場で見つけたものによって密室の謎を解いていたのだ。

一方殺人事件という非常事態にも関わらず、警察には連絡しないで遺言に従うことにした。誰もが莫大な遺産を失うのは惜しい。この決断はいかに?

 

十和田&善知鳥神の推理パートも加速する。映像として残された事件をどのように推理していくか楽しみである。映像から過去の出来事だと予想されるが、五覚堂に呼んだ意味とは何か。

 

そして警視いや警視正となったなった司の元へ毒島が訪ねてきた。先日警察署にタレコミの電話があり、二十三年前の事件について、よく調べてほしいと言っていたらしい。詳細を聞いてみると志田幾郎の事件らしく、現在五覚堂で起きている事件とは何か繋がっているのか?さらに、かけてきた女性が気になることを言っていたのでここに飛んできたという。『警視庁の宮司司さんに、よろしく。もちろん、彼の妹の百合子ちゃんにもね』と。

 

感想/まとめ

面白かった。

悟が百合子さんを誘った意味を知り納得。亮と鬼丸の体型にも驚いた。勝手に痩せているもんだと思っていたので。小説ならではの事実ですね。

絆創膏の読み方も日本全国でこれだけ違いがあるんですね。僕の周辺はバンドエイド、サビオ派でしたね。

事件よりも百合子さんが男と旅行していると知りあたふたする司さんが面白かった。過保護が行き過ぎている感じもしますが、仕事よりも百合子さんを優先する行動に笑うしかないです。このまま曲げないでシスコンを貫いてほしいですね。