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周木律さんの「双孔堂の殺人」を読んでみた 感想

今回紹介するのは周木律さんの「双孔堂の殺人」です。ダブル・トーラスなる奇抜な館が舞台のシリーズ第二弾!

 双孔堂の殺人

警視庁キャリアの宮司司警視は、放浪の数学者十和田只人が滞在しているという「ダブル・トーラス」双孔堂なる館を目指していた。彼自信は十和田に用があるわけではないのだが、百合子(妹)のお使いのためである。身内補正を除いても、頭脳明晰、容姿端麗、才色兼備と褒める兄。その妹が前作の「眼球堂の殺人事件」を読み、十和田の大ファンになってしまったわけである。シスコンお兄ちゃんは愛する妹のためにサインを貰ってくるため短い余暇を利用していた。

 

ダブル・トーラスの所有者は、数学者・降脇一郎。名だけの正体不明の人物だ。設計者は、沼四郎。「眼球堂の殺人事件」では驫木煬として登場していた人物である。

 

目的のダブル・トーラスに到着すると、数台のパトカーが止まっていた。現場にいた警察官に事情を聞くと殺人事件が起きたとらしい。しかも、事件の犯人として逮捕されたのが十和田只人だったのだ。自分が犯人だと自供して警察に連れてかれた。

前作の探偵役が犯人だという、とんでも展開。そんな彼を助ける?ために今回はたまたま居合わした宮司自ら事件を捜査することになる。後のシリーズにも登場するブルドックのような顔つき毒島巡査部長、美人だがあたりがきつい船生警部補、妹の百合子など主要人物が次々登場しますので面白さが加速していくこと間違いなしです。

 

▼登場人物

降脇一郎 :館主 死亡

十和田只人:放浪の数学者 犯人?

平国彦  :大学教授

鳥居美香 :大学生

鰐山豊  :大学教授 死亡

鰐山明媚 :豊の妻

飯手真央 :使用人

立林付  :使用人

 

上記の八人が関係者となる。降脇と鰐山が殺されて、十和田が自首したことが今現在宮司が分かっていることだ。毒島が言っていた事件の「不可解」なることがいったい何か。彼のその問いに、当事者たちがおもむろに語っていくことで物語は進んでいく。

ここまでが導入部分である。事件そのものは是非読んで楽しんでほしいです。

 

感想/まとめ

面白かった。相変わらず数学的部分はさっぱり分からないですが、それ以上に館の事件は興奮しますね。いろんな用語が飛び出した中で、メビウスの帯クラインの壺はお馴染み感があり、それなら知ってるとようやく安心できた。

星の王子さまサン=テグジュペリの大切なことは目に見えないーーこれもよく他で登場するので覚えてしまった。

事件方は前作の方が好きでした。前作の探偵役が犯人?という展開には興味をそそられましたけどね。

 

ようやく宮司兄妹が登場しましたね。十和田さんは変人過ぎてあまり好きなキャラではないのでこの二人が癒しです。あの過去があれば過保護やシスコンにもなるでしょう。シスコン、ブラコン系は大好物なの(百合子さんのおにいちゃん呼び最高過ぎる~)

 

最後、善知鳥神が百合子さんに接触していたことが判明して、関係性や謎が深まるばかりで次回作がより楽しみになる。