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東川篤哉さんの「ライオンの棲む街 平塚おんな探偵の事件簿1」を読んでみた 感想

今回紹介するのは東川篤哉さんの「ライオンの棲む街 平塚おんな探偵の事件簿1」です。海と祭りの街ー平塚ーを舞台に最強の美女?探偵コンビが奔放するミステリー誕生です!

 ライオンの棲む街 平塚おんな探偵の事件簿1

東京でOL生活を送っていた川島美伽だが、仕事に疲れ、恋に破れ、貯金も底をつき、会社を退職。地元平塚の実家に戻り社会復帰に向けて動き始めた。しかし立ちはだかるのは就職難という厳しい現実。そんな彼女の元へ友人から仕事を手伝わないかと連絡が入る。持つべきものは友だよねと感謝を胸に指定された場所へ出向いた。

平塚のとある場所に建てられたビル。その三階で待っていたのは「生野エルザ探偵事務所」という看板。平塚のライオンは大きくなって探偵になっていたのだ。

久しぶりの再会に抱き合いながら喜び合う27歳女子二人。そんな感動的な場面も束の間、探偵事務所に依頼人が現れたのだ。

偶然居合わせた美伽はこうして探偵助手として新たなスタートを切るのであった。

 

▼登場人物

生野エルザ:今作の探偵。美伽とは高校時代からの友人。学生時代ライオンのあだ名で名を轟らかせていた。黄金色に輝くたてがみがライオンそっくりだ。年齢性別問わずだれにでもかみつく気性の悪さがあり、依頼人に対してもため口で対応するので去っていく者も多い。デニムのミニスカートからのびた脚は魅力的に輝き、男を惹きつける。とにかく目立つ容姿。

愛車シトロエン寿命がちかい。

 

川島美伽:探偵助手。エルザとは高校時代からの友人。依頼人に敬語を使わず、口のきき方を知らないライオンいやエルザを猛獣使いいや助手としてサポートする。お茶くみ、来客対応、書類作成、暴走を食い止めるなどが主な役目。エルザの前では影が薄く名前を覚えてくれないこともしばしば。初対面の人が評価すると地味な女として一貫している。ここにも格差社会の波が押し寄せているのだ。

 

宮前刑事:平塚署の刑事。敵でも味方でもない、持ちつ持たれつ関係。事件に関わる重要な情報を交換し合ったり、隠し合ったり、奪い合ったり、、、あれ何だか様子が、、、まぁそれだけ密接な関係だということだ。

 

第一話 女探偵は眠らない

依頼人の名前は、沼田一美。婚約者の杉浦啓太の素行調査を依頼しにきたのだ。さっそく調査を開始したエルザはわずか数日で秘密の隠れ家を突き止めた。今週の土曜にデートを断った彼が隠れ家で密会をする可能性大。向かいのビルの屋上から張り込むから美伽も応援に来いと要請が入った。駆け付けた美伽の前には気持ちよさそうに寝息を立てているエルザの姿。引っ張って無理矢理起こさせ状況を説明させた。

午後一時に杉浦がやってきたのを確認。その後動きはなく美伽と合流して現在午後五時、ついに変化があった。ワンピース姿の若い女性が杉浦の部屋へと入っていったのだ。20分後、ひどく慌てた様子でアパートを立ち去ったワンピース姿の女性。エルザは尾行、残された美伽がアパートを確認しに行くと杉浦が死んでいたのだ。

 

第二話 彼女の爪痕のバラード

食品会社に勤めている山脇敏雄からの依頼は、恋人である北村優菜を捜して欲しいとのこと。一か月前から行方不明になっていて心配になっている様子。さっそく調査を開始。母親、勤め先のスナック、同僚、優菜に言い寄っていた男を当たってみたが、これといった成果はなかった。そんなとき、別行動で優菜の自宅を調べていた依頼人の山脇敏雄が死んでしまったのだ。彼の足取りを追って優菜の自宅にお邪魔したところエルザが何かを見つけた?のだった。

 

第三話 ひらつか七夕まつりの犯罪

平塚署の宮前刑事が探偵事務所を訪ねてきた。ある事件(女子大の松村講師が何者かにナイフで殺された事件)の容疑者として浮上した女子大生。彼女は二人組の女探偵に尾行されていたとアリバイを主張しており、その容姿ピッタリなエルザと美伽の元へ確認にきたのだ。

依頼人の悠木茜。彼氏の武田誠二とルームメイトの元山志穂が密かに会っているのではないかと疑っていたのだ。七夕まつりの今日、志穂の行動を見張るよう依頼したのだ。しかし、尾行がバレて失敗に終わったという苦い記憶だけが残った。容疑者らしい志穂のアリバイを確認すると宮前刑事は帰って行った。

負けたままでは終われない、リベンジに燃えるアリバイ崩しが始まった。

 

第四話 不在証明は鏡の中

依頼人の柳田美紗。カリスマ占い師である金剛寺綾華に洗脳されている姉である良美を連れ戻してほしいとのこと。さっそくエルザはお客のふりをして潜入調査。占ってもらった結果あなたの身の周りに災難が降りかかる恐れがあるという。信じないエルザだったが相棒のシトロエンぶっ壊れたのだ。これは、寿命なのか、それとも。

翌日、探偵事務所を訪ねた宮前刑事から金剛寺綾華を告発しようしていたルポライターが殺されたと聞かされた。怪しいとされる金剛寺綾華だがその時間エルザを占っていたという完璧なアリバイがあった。

またしてもアリバイが壁になり、どうする探偵さん。

 

第五話 女探偵の密室と友情

依頼人の日高静江。一週間前に亡くなった夫が自殺として処理された。しかし自殺という判断に疑問を持ち、再調査してほしいとのこと。密室だった部屋でタオルで首を絞めて窒息死。同部屋で寝ていた静江だが、病弱な体である彼女には犯行は無理。自殺判断にうなずける状況だが好奇心旺盛なエルザは依頼を引き受けて、密室の謎に挑むことになる。

 

感想/まとめ

面白かった。テンポよくサクサク読み終えた。平塚を舞台とした短編集。地名しか知らない僕は平塚ってこんな街なんだ~と想像しながら読んでました。

エルザと美伽のコンビが最高。漫才師のようなノリツッコミに息ピッタリな二人に癒されます。キャラクター小説として楽しませてもらいました。二人が友達以上な関係に見えてきてごめんなさい。同性の美伽も惑わす美脚にゴクリ。笑いの面白さを求めている方にはおススメできる小説ですね。

 

 

野球ネタもあって嬉しい。コンタクトを捜す達川光男に爆笑しました。

 

シリーズ追うこと決定!