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十市社さんの「ゴーストノイズ(リダクション)」を読んでみた 感想

今回紹介するのは十市社さんの「ゴーストノイズ(リダクション)」です。

 ゴーストノイズ(リダクション)

高校入学後のある日、ある失敗をきっかけにクラスで浮いた存在になってしまった一居士架。それ以来誰とも話さない、話しかけない学校生活を送っていたが席替えで前の席に玖波高町が現れたことで一変する。

架クラスでの立ち位置を気にしない高町は、文化祭の研究発表を手伝わないかと提案してきた。誰もいない放課後と図書館でのふたりっきりの時間が唯一で他人と話す時間になっていた。

一方で二人が通う学校では動物虐待事件が話題が持ち上がっていた。人の手によって遺棄された形跡が残されており誰かが意図的に行っているのが明確であった。高町は何か気がかりを抱えている様子に見えた。

その後も校内で立て続けに動物の死骸が発見される。何かを悟った高町は、ある人物へ会いに行った。それは腐れ縁の年下の幼なじみの男子だった。彼が動物虐待の犯人だったのだ。偶然にも押さえていた現場を目撃してしまった架は事情を聞き、一応解決へと向かった。

そろそろはっきりさせないといけないね、といつもと違った態度におかしな感じがした。その意味が分かったのは放課後だった。

高町から自覚が足りないと言う言葉。切り抜かれた新聞記事に載っていた住宅全焼、家族三人死傷という文字。ぶつけられた真実に架はすべてを理解した。世界が変わるとはこのことを言うのだろう。溶けて消えていく感情が抑えられない。

 

といった感じで前半は進んでいきます。後半は高町の出生から始まり私生活及び家族に焦点が当たっていくことになります。彼女にも抱えている悩みがあり、徐々に明らかになっていくので前半とはまた違った小説を読んでいる気分になることでしょう。

 

よくある美人な女子に話しかけられて物語は進んでいくタイプの小説なんですけど、一筋縄ではいかない仕掛けが施されているのだ。高町が架に突き付けた現実により、一旦はそういうことだったのかと納得してしまう。

 

ところが後半では、、、

おっとネタバレになりそうなのでここらへんで止めておきますね。

「彼女」は何を見ていたのか。「ぼく」には何が見えていなかったのか。

この本にピッタリの良い言葉ですね。

 

感想/まとめ

面白かったが、いろんなことが起きてしまっていてついていけない面が正直ありました。結局、誰が生きていて誰が死んでいるのか。今もなお説明を求められたら答えられる自信がないです。誰か解説してほしいです。ミステリーより青春が強めの小説だと思うので、そちらを求めている人にはおススメかな。

あれのことクーハンというのですね。一つ勉強になりました。

 

そして、一番爆笑したが護摩行を語る医者の言葉

毎年この季節になるとプロ野球選手の誰それが護摩行を敢行したというニュースを見かけるけど、そういう精神論に頼る選手に限って次のシーズンで成績を上げたためしがないのだと持論を展開していた。

新井さんのことだよね。これに全て持っていかれたよ。