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島田荘司さんの「御手洗潔のメロディ」を読んでみた 感想

今回紹介するのは島田荘司さんの「御手洗潔のメロディ」です。御手洗潔シリーズ第11弾。御手洗の大学生時代の活躍を含む短編集です。

 御手洗潔のメロディ

▼IGE

あの事件は、平成二年三月にクラシックの世界では広く名を知られた声楽家である秦野大造から奇妙な依頼を受けたのが発端でした。彼の教室に声楽家になりたいと入門を希望してきた女性に恋をしてしまったらしい。筋がよく上達するのは間違いなし、期待の新人としてこれから教えるのが楽しみだと思っていたが、、、彼女(祥子)と言う名の女性はある日を境にばったりと消息を絶ってしまったのだ。彼女の特徴を聞かずに帰らせてしまったが御手洗に当てはあるのか?

二日後、本宮雅志と名乗る青年が事務所を訪ねた。彼の勤めるレストランで起きる変な悪戯に困っているとのこと。男子用トイレの一番手前の小児用便器がいくら治しても壊されてしまうらしい。

一通りの説明を受けて事件の本質はまだ見えないと結論を出したが、そう時間はかからないうちに大事件に発展するはずだと忠告とアドバイスを添えた。

 

上記の二つの事件は関連していると断言した御手洗。

公園の針葉樹が何者かによって傷つけられたというニュースに目を光らせる。

ぶつぶつと呟いたあとに発したI、G、Eという単語。

神がこの事件を報せてくれたと興奮気味に叫び出す。常人には思いつかない答えが降りて来たのだろう。

どんなラストが待っているのか楽しみである。

 

僕もアレルギー持ちなのでIGEの単語には無意識に追ってしまった。最近アトピー持ちの学生が増えてきたとニュースが流れていたが、御手洗の自然界が鳴らす警鐘という言葉の通りにこれからもどんどんひどくなっていくのかな。

事件の方も、そう繋がっていたのかと納得の出来でしたよ。

 

▼SIVAD SELIM

平成七年の春、龍臥亭から帰還したボロボロ状態の石岡くん。里美という単語に思わずニヤニヤしてしまう。(いつか龍臥亭事件も感想を書きたい)

今回の奇妙なお話しは1990年12月クリスマスが迫ったある日のことだった。

外国人高校生の障害者の人たちを楽しませるためのコンサートを開くのでぜひ御手洗先生に来てほしいと依頼を受けた。石岡くんは、きっと口説いてみますよ請け負ってしまったが、御手洗は残念ながらその日は大事なお客さんと会う約束をしてしまったので無理だと断られてしまう。

断られると思っていなかった石岡君は、向きになってどうして?どうして?と問い詰めるものだから言い争いになり喧嘩状態に発展。

最終的にお約束の展開で御手洗はコンサートに駆け付けてくれてハッピーエンドで終わるのでめでたし、めでたし。

 

いいお話ですね~

 

▼ボストン幽霊絵画事件

御手洗が大学生時代ボストンで遭遇した事件が描かれている。

銃弾が撃ち込まれた看板文字から辿りついた真実とは。

 

さすが御手洗さんですよ。

 

▼さらば遠い輝き

準レギュラーレオナ松崎を中心に描かれている。御手洗のことが好きな彼女だが相変わらず振り向いてもらえない。

御手洗と石岡の出会い、あの「異邦の騎士」で当時の御手洗の心境がここで知ることができる。ファンならばぜひ読んでほしい。

 

感想/まとめ

御手洗潔シリーズ第11弾。

時系列がバラバラであれ?と感じることもあるが短編集もやはり面白い。

僕もアレルギー持ちなのでIGEはお気に入り。シリーズでアレルギーを題材とした小説が他にもありましたよね?

「異邦の騎士」で御手洗の心境に涙。

いつまでも仲のいい二人でいてほしいですね。