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氷川透さんの「真っ暗な夜明け」を読んでみた 感想

今回紹介するのは氷川透さんの「真っ暗な夜明け」です。第15回メフィスト賞受賞作。デビュー作です。

真っ暗な夜明け

推理小説家志望の氷川透は、久々に学生時代のバンド仲間と再会した。12時にもならないうちに、飲み会はお開きになった。学生時代の感覚だとまだ序の口だが、みんなは明日も仕事だ。卒業後もまともな職に就いていない氷川は当たり前の事実に感慨する。

 

電車を利用して帰宅するバンドメンバーは駅構内で最終電車を待っていた。そんな中、見送りの役目を果たし地下駅の出口から去ったはずのリーダーがトイレの中で撲殺された。

改札に寄りかかかり偶然にも全体を見通せるポジジョンにいた氷川。その時間人の出入りはなかった。犯人はバンドメンバー内にいるのか?

 

▼重要

さらに凶器の問題が浮上した。駅構内に設置されていたブロンズ像の台座の部分で頭を殴られて殺された。人の頭を殴るのなら、ブロンズ像のほうが適しているのではないか。なぜ象をどけてまで台座のほうを使ったのか。

 

氷川自身もバンドメンバーと連絡を取りつつ考察、詳細をまとめていく。なぜか気に入られた警察とも協力して事件解明に向けて進んでいる最中、バンド仲間の一人がマンションから転落死した。

 

後悔からの自殺なのか、、、それとも、、、

 

 感想/まとめ

いや~面白かった。

凶器の問題、これが全てですね。ブロンズ像ではなく台座を凶器に使ったのは何故か?その理由に納得、しっくりきた。

「在」と「不在」の証明。ロジック小説とはこのことを指すのでしょうね。

 

作中の氷川さんの推理講座で人称の問題を挙げていましたが、今作もバンドメンバーや関係者に視点が移動する構成になっています。 視点移動する小説もよく読みますが、意味あるのかと感じてしまうこともあります。逆に混乱を招く恐れもある。

今作では駅で視点移動に注目してみると誰がどんな行動をしていたかが後に判明して、証明のため上手く活かされているのを僕みたいな人でも直に読み解くことができたので嬉しくなったしまった。

パズルゲームのように組み合わせる作業好きです。

 

学生時代の延長線上な大人の青春もある、、、かも

 

シリーズ追うこと決定!