津原泰水さんの「ルピナス探偵団の当惑」を読んでみた 感想
今回紹介するのは津原泰水さんの「ルピナス探偵団の当惑」です。ルピナス探偵団は、著者が少女小説家として活躍していた時代に生み出されたミステリー小説です。
ルピナス探偵団の当惑
私立ルピナス学園に通う吾魚彩子は、かつて密室の謎を解いた実績から刑事の姉に証拠写真を見せられ、捜査状況を聞かされ、推理しろ、犯人は誰だと迫られる。
吾魚彩子 :主人公。ひらめきを生む普通の少女。
祀島龍彦 :化石大好き、彩子の憧れの少年。
桐江泉 :行動力があり女子にモテるタイプ。彩子の友人。
京野摩耶 :お嬢さんで美少女。彩子の友人。
吾魚不二子:がさつな刑事。彩子の姉。
庚午宗一郎:一応不二子の上司。よく彩子の力を頼ろうとする。
▼第一話 冷えたピザはいかが
編集者の麻衣子はエッセイスト瑞穂のマンションを訪ね、次作についての打ち合わせをした。ある程度目処がつき、麻衣子はマンションを後にして駅前のカフェで食事を済ました。その最中ある覚悟を決めて瑞穂のマンションへと引き返した。
麻衣子は、下駄箱に置いてあった置物で瑞穂を殺害。死亡推定時刻を混乱されせるため暖房を効かせるエアコンのタイマーを設定して、さらに部屋にあったピザを食べて会社に戻った。
ドアはオートローク。翌日瑞穂の合鍵を持った瑞穂の恋人が殺されているのを発見した。警察は、恋人と麻衣子を疑っている。
なぜ、犯人麻衣子はピザを食べなくてはならなかったのか?
▼第二話 ようこそ雪の館へ
スキー旅行へと出かけたいつものメンバーたち。今晩泊る宿を間違え、引き返そうとした矢先、道端に積もった雪が崩れて塞いでしまった。事情を説明して洋風のお宅で一晩お世話になることになった。
そこは芸能界に疎い彩子でも知っていた有名作詞家・天竺桂雅の住処だった。その夜は仕事で部屋に籠り、会えずじまいだったが翌日にはサインを貰おうと計画を練っていた。だがその願いが叶うことはなかった。翌朝雪に埋もれた中庭で彼女の遺体が発見されたのだ。遺体のそばに残されたメッセージ。
なぜ、ルビの付いたダイイング・メッセージを遺したのか?
▼第三話 大女優の右手
女優の野原鹿子が舞台で倒れた。心筋梗塞によるショックが原因で間違いない。彼女は運び込まれた控室で息を引き取り、いったんそこで安置された。連絡を受けた救急隊が裏口から劇場に入ってきた。ところが控室に安置されているはずの鹿子の遺体が消えてしまった。終演後関係者で探した結果、結局劇場内の女子トイレで見つかった。遺体には手首から先が切断されており、現場は血の海だった。
なぜ、女優の右手は切断されて消えたのか?
感想/まとめ
彩子を取り巻く登場人物の会話のノリが最高。
色々濃くてめちゃくちゃなのがいい。
ただ、ブログに書こうとすると名前が珍しく検索しずらいのが難点だった。
祀島君の数学の知識に脱帽。
十、百、千、万、億、兆、京、垓、杼、穣、溝、澗、正、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数
ゆずの「イロトリドリ」聴きたくなった~