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法月綸太郎さんの「密閉教室」を読んでみた 感想

今回紹介するのは法月綸太郎さんの「密閉教室」です。法月さんのデビュー作。学校という聖域で起きた事件に推理小説マニアの男子高校生が勇敢に挑む。

 密閉教室

一番乗りで登校してきた梶川笙子はいつもの朝との違いに戸惑っていた。教室のドアが開かないのだ。そこへ担任教師の大神が現れ一通りためした後、最終手段として力ずくでこじ開けると中町圭介が死んでいたのだ。大神は、登校してきた吉沢信子に倒れた笙子を保健室へ連れていくよう命じて、一夜で一変した絶えない光景の教室の中に入った。施錠状況などを確認後、教室にあるはずのものが無い違和感に気づく。そう、生徒たちの机と椅子がひとつ残らず姿を消していたのだ。

 

机と椅子の在りかを推理小説マニア工藤順也がズバリ言い当てたことが評価され事件を担当する森警部に協力関係を提案された。しかし大神は警告する。過去に学校で起きた不祥事を巡る対応で順也と大神には因縁があり今回も先にくぎを刺してきたのだ。

 

怯むことなく順也は、紙の上の名探偵のように現実世界で名探偵の役割を全うしていく。ひとつひとつピースを埋めていき確実に真相へと近づいていた。その先に考えられないような驚愕すべき真相が待っているとも知らずに、、、

 

感想/まとめ

高校で起きた事件に生徒が挑む、僕の大好物なお話しでしたね。今から何十年前の高校を舞台としているので、え?と感じることもあったがおおむね満足。こんな高校生がはたしているのか?と一瞬思ったが、非日常を娯楽として楽しむことを目的としているので楽しかったで終えることが一番大切。

しかし感想ではいつも同じようなことを連呼しているので、語彙力の在庫が少ないことが最近の悩み。

 

担任の大神先生から順也への言葉

中町圭介は紙の上の登場人物ではない。お前に現実の死を弄ぶ権利はない

この言葉が心に響いたが、先生の正体を知った今では残念だ。

 

最後いい関係になりそうだった信子に正論を吐かれ気落ちする順也。主役、脇役、傍観者と、下り坂を転げ落ちるように立場が急降下。

え?結局犯人はあの人だったの。

コーダ~あとがきにかえて~という謎も残った。

小骨が残る消化不良に首をかしげるも読み終えた後知ったノーカット版の方もいつか読んでみたい。