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横山秀夫さんの「ルパンの消息」を読んでみた 感想

今回紹介するのは横山秀夫さんの「ルパンの消息」です。デビュー作。あの三億円事件を取り込みスケール大の作品。緊迫したストーリーに驚愕すること間違いなし。

 ルパンの消息

警察へ届けられた一本のタレこみ情報。15年前に屋上から飛び降り自殺として処理された女性教師の事件。実は殺人事件であり、犯人は、当時教え子だった男子高校生3人だという。信憑性のある情報でしたが、時効まで24時間しかなかった。

警察は『ルパン作戦』『嶺舞子殺し』の2つから攻めていく方針。

名前が挙がっていた3人の喜多芳男(キタロー)、竜見譲二郎(ジョージ)、橘宗一

を警察署へ連行し事情を聞き出します。

ルパン作戦とは深夜の学校に忍び込み、金庫からテストを盗み出す計画のことを指していた。作戦名は仲間内で屯っていた喫茶店の名前から拝借。そこのマスターはあの三億円事件の犯人として警察にマークされていた人物だった。

もう一人麻雀仲間の相馬弘がいる。彼は、複雑な家庭環境の中妹と暮らしている。麻雀意外あまり付き合いがないため今回の作戦への召集は見送られた。

こうして『ルパン作戦』はスタートした。

作戦自体は順調でお目当ての物をいただくことに成功した。二日目も、三日目も同様にテストを盗み出すことに成功。そして死体を発見した四日目の深夜へ向かう。

金庫のカギを開け中から死体、職員室に潜んでいた何者かが逃げ出したとの供述に驚愕する。どこで、いつ、何故殺されたのか。舞子の筆跡の遺書はどこから手に入れたのか。疑問は山ほどある。

 

その後も三人からの供述をもとに事件の全貌が見えてくる。

幾つもの何故が明らかになるその瞬間を自身で確かめてくださいね。

 

感想/まとめ

時効のように迫ってくる緊迫感でページをめくる手が止まらない。

小説のような紙の上でしか知らない今では考えられないような高校生活。当時の不良?男子高校生らしい振る舞いに驚き、口は悪いが、優しい一面も。内面外面魅力のある登場キャラ、伏線回収、真相解明、すべてが第一級で褒めるところが次々現れて止まらない。

 

キタローの調書を担当していた婦警さんの正体が実は、、、心からの叫びがこの小説の見所のひとつでしょうね。

過去を清算してみんなこれから進む希望がみえた終わり方だったので読後感も最高でした。

映画の方も観たくなってしまいましたよ。