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城山真一さんの「ブラック・ヴィーナス 投資の女神」を読んでみた 感想

今回紹介するのは城山真一さんの「ブラック・ヴィーナス 投資の女神」です。第14回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作品。株にはほとんど興味がなく心配していましたが、読みやすく問題ありませんでしたよ。

 ブラック・ヴィーナス 投資の女神

地域の役に立つ仕事をしたい、銀行の融資で地域を活性化させたいと理想を描きながら勤めて二年、理想と現実は違っていた。仕事への情熱も萎えはじめ失望した百瀬良太は、銀行を辞め新たな就職先として選んだのは県が管轄する「いしかわ金融調査部」で働くことだった。業務内容は、金融関係の苦情相談員。まともな相談は無いに等しく日頃のうっぷんを晴らすような話に耳を傾ける毎日。それでも困っている人を助けていると自分自身に言い聞かせ仕事を片づけていく。

 

しばらくして仕事に慣れ始めた頃、良太の兄から会社の経営がピンチだと知らされる。新しい事業のためお金が必要であり、兄が頼ったのは、噂や都市伝説で話題となっている株取引の天才「黒女神」だった。会う約束を取り付けており交渉の際、同席してほしいと良太に願い出た。見てみたい気持ちもあり、返事は即答だった。

 

「黒女神」は二礼茜と名乗り、良太たちの前に現れた。

良太の心配をよそに交渉時間はあっという間に終わり、約束通り一ヶ月後大金を用意してくれた。

依頼人の最も大切なものを報酬として要求する、これが茜が出してきた条件。今回は良太の兄の工場で仕事上必要不可欠な機械。手放すのは惜しくないが、査定してもらったところ金額はつかず、持ち出すために費用がかかりトータルでマイナスだ。

報酬がこれでは不安になり気持ちが晴れない、他にできることはありませんかと懇願する。そこで茜は、良太を助手として迎えることにする。

 

こうして良太と茜は出会い、予期せぬ形でお金に困っている人たちと知り合うことになる。

借金に苦しむ老舗和菓子屋、自殺した人気歌手の死因を隠すため必死になる父親などさまざまな依頼人が訪ねてくる。

さらに良太と茜を襲う組織。

知らぬ間に壮絶な戦いの舞台に立たされていたのだ。

百戦錬磨の茜でも追い込まれる、そのとき良太は機転を利かせピンチを脱することはできるのか。

 

感想/まとめ

株や投資にはまったく興味のない僕でも楽しく読めました。

正直単語の意味はさっぱりだが、素人なりに茜さんがすごいことは伝わってきた。

最後の終わり方も上司ではなく部下になるといった予想外の文面に思わず二度見。読後感も晴れ晴れしくすぐにでも続編を読みたい気持ちにされてくれた。

 

晴れの日に傘を貸すが、雨の日には貸さない

銀行を比喩する言葉、なるほどですね。

 

雨の日に傘を貸さない人間にはなりたくない

良太の熱い思い響きました。

 

株価の動きは人の心

見ている所が違う、僕なら情報こそ正義だと思い込んでしまいますよ。