~読んできた本の足跡~

~のんびりまったり日々読書~アニメや雑談も~

谺健二さんの「星の牢獄」を読んでみた 感想

今回紹介するのは谺健二さんの「星の牢獄」です。

 星の牢獄

プロローグ

惑星バ・スウ。一日の長さが地球の二倍、一年は三倍もある乾燥した気候で雨もほとんど降らない。イレム・ロウはそんな星の温かい水の中で、卵から生まれた。イレム達の種族は人間で例えると蟹に似た姿をしている。知能は人間と同等、もしくは高い。性別がなく、単性生殖をする。基本的に集団生活をせず、他所とは最低限のコミュニケーションのみだ。自分の姿を鏡で見ることがタブーとされている。

彼等は成熟した姿になると宇宙へ旅立ち、色々な星を巡り、調査しながら生きていく。

いつの日か、地球にも来る日が訪れるかもしれない。

 

他愛もない、姉妹喧嘩が最悪の結果をもたらした。

茅春(姉)は、些細な口論の末、妹に「死んじゃえ」と言って家を飛び出した。

たっぷり遊んだ後、帰宅する途中の電話。緊迫した声で助けを求める妹の声を悪戯だと思い無視。しかし次第に不安になり、最後は駆け足気味に自宅へと急いだ。

目の前に飛び込んできた光景。ベットに横たわり、息絶えている妹の姿だった。

 

公園のベンチに腰をおろし、空を見上げた周蔵。

突然の妻の死は、七十を超えた老人の心にぽっかりと穴を空けていた。死の原因が自殺だったから尚更である。悪徳業者に騙されて多額の借金があることが判明。夫である周蔵に知られることを恐れての行為。信用されていなかったのだ。

周蔵は、あらゆる手を使ってその業者を探し出した。被害者は高齢者が多く、泣き寝入りしているケースが大半を占めていた。違法ギリギリの線を熟知しており、いまだに摘発に至っていない。経営者の周辺を探っていると一人娘の存在を知った。

愛するものを失う辛さを知ればやつも、、、そんな悪魔の声が囁きかけたとき一人の少年が現れた。

 

茅春と香織、洵。同じ高校の天文同好会に所属する気心の知れた友達同士。彼等の口から飛び出す言葉は意味深なもので語られいる。あんなことが、あった後なのだから仕方がない。さらには洵が抱えるトラウマ、父親からの暴力。未だに癒えない傷として蝕んでいた。

 

そして、本編へ

海上に建てられた私設天文台“星林館”。流星群の観賞会がひらかれた夜、死が相次いで降り注いできた。隕石に撃たれて焼死した男、顔を赤く染め上げて墜死する老人、大時計の針に貫かれて磔にされた男……。この異様な死は何を意味するのか。そして誰の意志によるものなのか。あらゆる謎が解き明かされたとき、すべての事実が反転する奇想と衝撃の本格ミステリー大作。

 

地球へとやってきたイレムは斗波飛鳥と名乗り調査を開始した。殺害現場にいた不審な男として警察に追われる身となりいきなり逃亡生活。殺害されたのは悪徳商売をしていた経営者の娘だった。香織と出会い、初物づくし地球を感じながら事件を追う。ある関係者を尾行して逆に見つかり反撃を受け囚われたイレム。最大のピンチを特殊能力を使用し事なきを得たが、先が思いやられる。

そして、舞台は海上に建てられた天文台星林館へ。流星群の鑑賞会が開かれた夜、殺人事件の幕が切って落とされる。密室、不可解な謎、異様な光景は何を意味するのか。

すべてが明らかになるとき驚愕の真実を知ることになる。

 

感想/まとめ

面白かった。SFミステリーかと最後の最後にやられましたね。

細かな疑問点はあるもののそれを凌駕する仕掛けに脱帽。

おすすめの小説として紹介したいですね。